目次

  1. 「3%ルール」とは?オーナーが受け取る株式配当金課税の概要
  2. 資産管理会社利用によるオーナー受領配当金への税効率の改善
  3. ポイントは資産管理会社の「受取配当金の益金不算入制度」
  4. オーナー保有株式の資産管理会社への移動時の留意点
  5. 金融セールスにおいては
元野村證券PBの税理士が語る税制講座(11)上場企業オーナーは株式配当をどのように節税しているのか?
(画像=ZUU)
佐野 比呂之
佐野 比呂之(さの・ひろゆき)
佐野比呂之税理士事務所、合同会社パープル・リングス代表。1998年、立教大学経済学部卒業。複数の中小税理士事務所に勤務。2006年、中央大学国際会計研究科修了MBA取得。税理士登録。2007年、税理士法人プライスウォーターハウスクーパース(PwC)入社(一時期、野村證券へ派遣)、主にオーナー企業向け税務顧問及び事業承継業務、国際相続案件に従事。2011年、野村證券株式会社にて上場・未上場企業オーナー向けプライベートバンキング業務に従事。2014年、佐野比呂之税理士事務所を開所。2015年、合同会社パープル・リングスを設立。税理士、行政書士、CFP、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、証券外務員一種(内部管理責任者)。

上場会社オーナーの資産管理会社を利用した相続・事業承継対策は広く一般的に知られるようになってきましたが、上場会社からの配当金は、オーナーのような大口株主とその他の少数株主では課税関係が全く異なるため、別途の対策が必要となります。

そこで今回はオーナーに係る株式配当金に着目し、特に「配当の3%ルール」と「受取配当金の益金不算入制度」をお伝えしたいと思います。

「3%ルール」とは?オーナーが受け取る株式配当金課税の概要

企業オーナーは自身が所有する会社から配当金を受領しますので、その配当金に対して所得税と住民税(以下「所得税」とします。)が課税されます。通常、上場会社からの配当金は証券会社における特定口座で管理されており、その特定口座内で20.315%(所得税及び復興所得税15.315%、住民税5%)の源泉徴収(源泉分離課税)も行われます。

なおかつ株式の譲渡損がある場合には確定申告することもなく当該譲渡損と配当金の損益通算も自動的に行われることとなり、総合課税が適用される事業所得等の他の所得と比べ非常に優遇されています。

一方、企業オーナーは通常3%以上の株式保有割合であることから別途「大口株主」として扱われることとなります。大口株主が内国法人から受ける上場株式等の配当金については、一般口座での受け取りはできますが、特定口座(源泉徴収あり)への受け入れはできません。

しかも課税方式が総合課税に限定され、高額な役員報酬等と合算した後に課税されることとなり、最高税率は49.44%(配当控除考慮後)と少数株主とは比べものにならない重課がされてしまいます。この3%のバーを俗に「3%ルール」と呼ぶこともあります。

資産管理会社利用によるオーナー受領配当金への税効率の改善

大口株主判定は株式保有割合が3%未満か3%以上かで形式的に判定されるので、保有割合が4%のような場合には非常に悔しい思いをすることになります。では、保有割合4%の企業オーナーに対する配当金課税を回避する方法はないのでしょうか?