現代は単身の高齢者が増え続けています。ある意味で大きなターゲットになりえますが、一方で敬遠するオーナーも少なくありません。しかしITの活用などで孤独死対策などを講じれば大きなビジネスチャンスになりうる一面があります。ここでは単身高齢者をターゲットとしたワンルームマンションの戦略について解説します。

増え続ける単身高齢者世帯

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(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

明治維新から終戦時を除いて一貫して増え続けてきた日本の人口ですが、1万2,784万人を記録した2004年12月を最後に減少に転じました。その落ち方は急激で、2100年には明治期と同水準の4,771万人(中位推計)まで落ち込むと予測されています。一方で単身世帯は増加傾向にあり、1980年の711万世帯から2015年は1,656万世帯と倍以上に増えました。そして、この傾向はこの先も30年近く続くとされています。

ずっと標準とされてきた夫婦&子供世帯は、2015年に単身世帯にトップの座を明け渡しまし、両者の差は今後も拡大し続けます。同時に子供なし夫婦もここ30年で倍増、世帯数は夫婦&子供世帯と拮抗するレベルです。ちなみに、昭和30年代までは一般的だった3世帯同居は、わずか291万世帯まで減少しています。

つまり、3世代同居~核家族化(2世代家庭)~少子化(子供なし夫婦)~単身化と進展してきたわけ です。とくに単身高齢者世帯の増加は急ピッチで、1980年の88万世帯から2015年は562万世帯と6倍強にまで増え、2030年には717万世帯に達するとされています。

単身高齢者世帯が増え続ける理由

単身世帯となった理由として最も考えられるのが配偶者の死亡によるものです。とくに2025年には団塊世代と呼ばれる人口ボリューム層が後期高齢者になる年を迎え、高齢者単身世帯増に拍車をかけるとされています。さらに、「もともと結婚していない」「離婚した」層も増加傾向です。50歳独身はもはや珍しくなく、男性で5人に1人、女性で7人に1人に達しています。

ちなみに2015年の35~39歳の未婚率は男性の場合で35%と、1985年の14.2%より約2.5倍です。一方で離婚件数も1999~2008年まで毎年25万組を超えており、1980年代の毎年15万組前後より10万組程度増えています。こうした傾向は、将来の単身高齢者世帯の増加に直結しているといえるでしょう。

なぜ高齢者単身世帯が敬遠されるのか

一方、高齢者単身世帯の居住環境はどうなっているでしょうか。同じ高齢者世帯でも夫婦の場合は持ち家が86.8%と圧倒的で、アパートなど借家の割合は約12.8%近くです。(2005年)一方で単身高齢者の場合、約33.8%が借家暮らしで、加えてその割合は年々高まっています。家に暮らす高齢者単身世帯の数は、世帯数自体が増えていることもあり、5年間で140万戸から210万戸にまで急増しています。

逆を言えば高齢者単身世帯向け住宅の提供は、ワンルームマンションオーナーにとってビジネスチャンスですが、ことはそう簡単ではありません。一方で、オーナーにとって一番懸念するのが孤独死です。全国的な統計データはありませんが、2016年の東京都の場合で孤独死件数は3,179件でした。2003年の1,451人と比較すると約2倍となっています。

そんな事情もあり、単身高齢者向け賃貸住宅は慢性的な供給不足に陥っています。

対策次第ではワンルームにビジネスチャンス

そんな中で、高齢単身者に適した賃貸住宅提供の取り組みも進行中です。ハード面では、既存の賃貸住宅をリノベーションしバリアフリー化を図り、ソフト面では介護事業者・ケアマネージャーなどとの提携により、ケアサービスを提供と同時に孤独死対策を講じています。具体的には、見守りセンサーと24時間対応コールセンターの組み合わせで万が一の事態に備えているのです。

さらに最近では孤独死が起きた場合に備えて、原状回復や家賃低下による損失を補償する保険も登場しています。高齢者単身世帯向けワンルームマンションの運営は、正直なところ手間がかかる傾向です。しかしながら、ビジネスは手間暇をかけてこそ稼げるもの。入居率アップのためにも選択肢の一つとして検討されてはいかがでしょうか。(提供:Braight Lab

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