多くの資産を持つ人にとって、悩ましいのが相続問題です。自分の死後、家族や親族が問題を起こさず、スムーズに相続ができるように、あるいはなるべく相続税の負担をかけさせないように、相続対策で努力する富裕層は数多くいます。

これから相続対策を行おうと考えているのなら、まずは相続に関する基礎知識を蓄えておきましょう。ここでは、法定相続人の範囲や相続の順位など、相続の基本についてお伝えします。

どこまでが法定相続人?

法定相続人,範囲,相続の順位
(写真=matsu5/Shutterstock.com)

法定相続人とは、民法で定められた相続人のことです。被相続人(亡くなった人)の配偶者は、どのような場合でも常に法定相続人となります。配偶者以外で法定相続人になれるのは、被相続人の血族のみです。法定相続人には順位があり、順位の高い人から相続の権利を得ます。

1番目に相続を受けられる配偶者が存在しない場合には、次の順位の法定相続人に、その相続人もいない場合には次の法定相続人にという形で、財産を相続する人が決められます。

相続の順位について

法定相続人の具体的な順位について見ていきましょう。

第一の法定相続人は、被相続人の配偶者と子どもです。もし、子どもが被相続人よりも先に亡くなっている場合には、子の子、子の子の子というように、孫またはひ孫が代襲相続を受けられます。

第二の相続人は、被相続人の親(父母がいない場合は祖父母)です。子も配偶者もいない、子の子もいないという場合には、被相続人の親や祖父母が財産を相続できます。

第三の相続人は、被相続人の兄弟・姉妹と配偶者です。もし被相続人の兄弟・姉妹が被相続人よりも先に亡くなっているのなら、甥または姪が法定相続人となります。

この順位は覆ることがなく、下の順位の人は上位順位の法定相続者が死亡、あるいは相続権の放棄をしない限り、財産を相続することはできません。配偶者と子が法定相続権を持っている場合には、被相続人の親や兄弟・姉妹は相続できないことを覚えておきましょう。

相続割合は

法定相続人と相続順位だけでなく、相続人が遺産を分割する割合も法律で定められています。これを法定相続分といいます。

法定相続分は、配偶者が2分の1、子どもが2分の1となっています。子どもが2人の場合には、2分の1のさらに半分が子ども1人あたりの相続分となります。被相続人の配偶者もすでに死亡している場合は、子どもがすべての財産を相続することになります。子どもが2人の場合には、半分ずつ分けて相続することができます。被相続人に配偶者と子どもがいない場合には、両親が2分の1ずつ相続します。

例えば、3億円の遺産の法定相続人が配偶者と子ども2人だった場合、その半分である1億5,000万円が配偶者の相続分となります。残りの1億5,000万円は、子2人で2分割して、1人当たり7,500万円ずつ相続できます。

複雑な時は被相続人の戸籍で確認を

法定相続人が誰なのか分からない時は、戸籍を取り寄せて確認しましょう。遺産分割協議がスムーズになります。この時に取り寄せる戸籍は、現在の戸籍ではなく、被相続人が生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍が必要です。

戸籍情報を見ると、誰が親で、兄弟姉妹で、配偶者で、子どもであるのかが一目瞭然です。ただし、複数回住所が変更になっている人の場合には、取り寄せが難しいこともあるでしょう。戸籍謄本自体は自治体の窓口や郵送で取り寄せることができますが、時間がない場合などは遺産相続について相談できる弁護士などに依頼したほうが確実です。

金融機関でも、相続時に被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を求められることがあります。相続争いを避けるためにも、遺産分割協議が始まる前後に弁護士に相談しておくことがよいでしょう。

法定相続人は決まっている。相続争いを避けるためにも法律のプロの手を借りよう

このように、法定相続人とその相続の順位はしっかりと決められています。しかし遺産分割協議の際、相続の権利がないにもかかわらず、相続の話に口を挟もうとする人も出てくるかもしれません。無駄な遺産相続争いを避けるためにも、生前のうちから遺言書を残しておいたり、弁護士に相談したりしておくと安心です。(提供:ANA Financial Journal

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