モトリーフール米国本社、2019年6月5日投稿記事より

インドの最近の総選挙で現職のモディ首相率いる与党が圧勝したことから、アマゾン(NASDAQ:AMZN)とウォルマート(NYSE:WMT)は、今後5年間は政府と再び協力しながら事業を進めなければなりません。

その結果、アマゾンとウォルマートは、インドのEコマース(電子商取引)市場の成長を抑制する可能性がある保護主義的政策に対応する必要があります。

アマゾンとウォルマート、インドでのEコマース展開に難題

アマゾン
(画像=Getty Images)

国内小売業者の利益を最優先

与党政権は2018年末の地方選挙で勢いが衰えた後、人気を集めるために国内小売業者の利益を最優先課題としています。これは、アマゾンとウォルマートにとっては悪いニュースです。

今年の初め、インド政府は自国の小売業者がアマゾンやウォルマートのような大企業に対抗するために、対外直接投資規則を更新しました。

両社は、電子商取引事業によって商品を販売することに一定の規制が課されました。

この結果、アマゾンとウォルマート子会社のフリップカートは、Eコマースプラットフォームで商品を売るベンダーのために、大量在庫をインド国内で調達することはもはや許されません。

この規制は、フリップカートとアマゾンの大幅な値下げを制限する目的で行われました。

さらに、両社は以前のようにブランド商品等で独占販売契約を結ぶことができなくなり、それによってより多くの小売業者に対して市場が開かれるようになりました。

モディ主導の政府が国家主義的な方針で国民の支持を取り戻した今、アマゾンとウォルマートはインドのEコマースで、より多くの保護主義に対応しなければなりません。

昨年末、インドの中小規模の小売業者コンソーシアムは、アマゾンやウォルマートなどによる「搾取」について首相府に不満を述べました。

小売業者を含むインド中間層の支持が総選挙勝利で重要な役割を果たしたことを考えると、政府は小売業者にとって好ましいEコマースガイドラインの導入を推進すると思われます。

しかし、インドで中小規模の小売業者を保護する目的で政府が実行するEコマース関連措置は、億万長者ムケシュ・アンバニ率いるリライアンス・グループの流通部門であるリライアンス・リテールにプラスに働くでしょう。

これは、アマゾンとウォルマートにとってネガティブな要素です。

リライアンスの攻勢

リライアンスは、現在インドで6,400以上の都市にまたがる10,400以上の店舗を運営しており、年間5億人以上が店舗に訪れます。

今年4月に、同社は従業員の間で自社の食料品販売アプリをスタートしましたが、これは2019年後半の正式な発売前のテストと言われています。

インドでのリライアンスの大規模な小売店網の存在は、ウォルマートやアマゾンよりも有利に働きます。

アンバニは、インドのEコマース分野を支配するために、もう1つの武器であるグループのテレコム事業であるReliance Jioを使用しようとしています。

リライアンス・リテールは、中小商店にReliance JioのPOS(Point of Sales)端末とMyJioアプリの配信を開始しました。

リライアンスは、商店の卸売業者への商品注文および顧客への販売を簡単にするために、一連の導入を行っています。

リライアンスの利点は、すでに3億人を超える携帯電話加入者を抱えているため、既存の顧客がアプリを簡単にプッシュして、商品を注文して手に入れたり、地元の店から配達したりすることが、簡単にできます。

インドの通信業界に創造的破壊をもたらした大富豪

実際、バンクオブアメリカ・メリルリンチの推計によれば、リライアンスがPoS分野に参入することで、デジタル小売店の基盤が2023年までに現在の1万5,000から500万に拡大するとみられます。リライアンス・リテールはこれらの小売店を使ってオンライン注文を処理できます。

これにより、リライアンスはインドの小売業界における存在感を急速に拡大することができます。

最後に、リライアンスは地元のプレーヤーであるという事実を考慮すると、それはインド政府の対外直接投資規則の範囲外です。

その結果、リライアンスは在庫をまとめて購入して小売業者に供給することができ、小売業者はオンラインとオフラインの両方のチャネルにおいて割引価格で販売することができます。

したがって、アマゾンとウォルマートがインドEコマース市場の覇権を失っても驚かないでしょう。

現在、アマゾンとウォルマートはインドEコマース市場で合計70%以上のシェアを占めています。

政府がアマゾンとウォルマートに対してより多くの規制を決定すれば、この市場での両社の成長は制限されるでしょう。

そして、国内プレーヤーが勢力を拡大することになります。(提供: The Motley Fool Japan

(米国株投資にご関心がある場合は、モトリーフールの下の記事をご参照ください。)
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アマゾンの子会社ホールフーズ・マーケットのCEOであるJohn Mackeyは、モトリーフール社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Harsh Chauhanは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、アマゾン株を保有し、そして推奨しています。