投資信託は、ローリスクな資産運用の代表格です。しかし、実際には運用成績がふるわない運用会社やファンドも多くあります。「投資信託なら安定運用できる」という思い込みはNGです。投資信託のリスクと、それを回避する考え方を解説します。

「老後に2,000万円不足」の影響でNISA申し込みが急増

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(画像=William Potter/Shutterstock.com)

「老後に約2,000万円の備えが必要」と日本社会に一石を投じた金融庁のレポート。これをきっかけに年金不安が一気に表面化し、私的年金を作る目的でNISA(少額投資非課税制度)を申し込む人が急増しています。

日本経済新聞の聞き取り調査によると、楽天証券のNISAの契約申込数は「2,000万円不足問題」が話題になる前と比べて約1.7 倍に急増しています(6月第3週の申込数)。

同じように、これを機にNISAを使って非課税で資産運用を始めようと考えている人もいるでしょう。(一般)NISAの投資対象は、国内株式や海外株式、投資信託などです。なかでも、ローリスクのイメージのある投資信託を選択する人が多いでしょう。

注意したいのは、投資信託にもリスクがあるということです。これを理解した上で購入することが重要です。

日経平均以下のリターンの投資信託が大半……という現実

投資信託にもリスクがあることを示す事例を紹介しましょう。投信評価会社の三菱アセット・ブレインズが、国内株で運用している投資信託の過去10年のリターンを調査しました。主な運用会社ごとの平均年間リターンを算出したところ、大半の会社が日経平均のリターンを下回っていたのです(※)。つまり、主な国内株式を購入したほうが、多くのリターンを得られたことになります。

具体的には、調査した20社のうち12社の運用ファンドが、日経平均のリターンを下回りました。過去10年の日経平均の平均年間リターンは約10%でしたが、それ以下の運用会社が半分以上だったのです。

ここ10年で見ると、国内株価は堅調な伸びを示しています。そのため、日経平均を下回っても運用成績はプラスでした。しかし、日経平均が下降トレンドに入れば、運用成績の悪い投資信託はマイナスになる可能性もあります。

※2009年6月~2019年5月間の年率換算

投資信託のリスク回避策:大手企業のイメージより中身が重要

しかし投資信託は、ファンド選びさえ間違えなければ有効な資産運用法です。前述の三菱アセット・ブレインズの調査で、日経平均のリターンを上回った運用会社の上位5社は以下の通りです。※()内は10年間の年換算・平均リターン

1位 SBI(16.5%)
2位 レオス・キャピタルワークス(15.3%)
3位 スパークス(13.7%)
4位 明治安田(13.0%)
5位 JPモルガン(11.0%)

明治安田を除けば、新興系か外資系です。この結果を見る限り、投資信託選びにおいては、「運用会社が国内大手」ということは安心材料にならないと言えます。あくまでも、ファンドの方針や組み入れ銘柄を見て選ぶのが賢明です。

投資信託のリスク回避策:リスク回避重視ならインデックスファンド

投資信託には、「インデックスファンド」と「アクティブファンド」があります。一般的に、リスクが低く運用コストが安いのはインデックスファンドです。

インデックスファンドとは、日経225やTOPIX(東証株価指数)など、国内または海外の指数に連動する投資信託のことです。アクティブファンドは、インデックスファンド以上のリターンを狙って、ファンドマネージャーの力量で運用していく投資信託です。リスク回避重視なら、言うまでもなくインデックスファンドを選択すべきです。

インデックスファンドにもリスクはある

ただし、ローリスクと言われるインデックスファンドにもリスクはあります。だからこそ、さまざまな形で分散投資することが大切なのです。ペーパーアセット(投資信託・株・債券など)とリアルアセット(金や不動産など)を組み合わせて、私的年金づくりをしっかり進めていきましょう。(提供:アセットONLINE

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