厚生労働省は2018年1月、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し、企業に対して従業員の副業を推進しています。その結果副業を認める企業も増え、会社員の中にはフリーランスの活動を始めている人もいます。

フリーランスとして仕事を請け負う場合は「業務委託契約」を結ぶのが一般的です。しかし、契約内容を理解していない状態で契約を結ぶと、仕事が完了したのに報酬が支払われないといった事態に巻き込まれることもあります。この記事では、フリーランス事情を解説しつつ業務委託契約の概要を紹介します。

複業ワーカーは増加傾向

複業ワーカー,業務委託契約
(写真=Phichat Phruksarojanakun/Shutterstock.com)

2018年1月に厚生労働省から発表された資料「モデル就業規則」では、必要以上に従業員の副業を制限してはならない旨が記載してあります。つまり、副業が解禁されたということです。

株式会社リクルートキャリアが2018年9月に行った調査「兼業・副業に対する企業の意識調査」によると、企業の3割弱で従業員の副業を推進(または容認)していることが分かりました。

また、ランサーズ株式会社が2019年に発表した資料「フリーランス実態調査 2019年度版」では、国内におけるフリーランスの人口が2015年は913万人だったのに対し、2019年には1,087万人と、4年間で174万人も増加したことが明らかとなりました。このうちの280万人が、複数社と契約し業務を行う複業系パラレルワーカーとのことです。

業務委託の契約とは何か

業務委託契約とは、仕事の発注者が外部の取引先や個人(自社の従業員以外)に仕事を依頼するときに結ぶ契約のことです。業務委託契約について定める法律はありませんが、業務委託契約の内容として書かれている請負や委任の部分において民法で定められており、法的根拠を持つとされています。

請負契約を結んだ場合は、成果物を完成させたことに対して報酬が発生します。したがって、作業時間を費やしたとしても成果物が未完成だと報酬が振り込まれないことがあります。一方、委任契約を結んだ場合は、業務に取り組んだことに対して報酬が発生するため、成果物が未完成であっても発注者には報酬を支払う義務があります。

報酬が発生する条件をしっかりと理解したうえで、業務委託契約を結びましょう。

会社員時代と違って注意したい点は

業務委託契約では、会社で働くときと違って社会保障が完備されていません。雇用保険を例に出すと、業務委託契約の場合は仕事の受注がなくなっても離職扱いにならないため、失業給付金を受給することはできません。一方、会社員の場合は雇用保険を支払う企業で働いて条件を満たせば、失業後に失業給付金を受給することが可能です。

さらに、健康保険料や年金の支払額の割合にも違いがあります。業務委託契約で仕事を受注している場合は、全額を自身で支払わなければなりません。一方、会社員の場合は、雇用主と折半して支払います。業務委託契約では企業が負担してくれることはないためご注意ください。

独立を考えている人が意識したほうがよいこと

業務委託契約書の内容はしっかりと理解しておきましょう。請負契約と委任契約の違いを理解するだけではなく、違法な契約が結ばれる場合もあるため、悪質な契約の事例を覚えておくとよいでしょう。代表的なのが、偽装請負契約です。偽装請負契約とは書面上で業務委託契約を結んだのにもかかわらず、労働者として働かせる状況を指します。偽装請負契約に見られがちなパターンは下記の通りです。

1.発注者が受注者に対して命令する(出退勤時間の指定や業務に関する細かい指示など)
2.業務契約を結んでいない会社への出勤を命じられて、従業員の指示に従って働かされる

もし業務委託契約に関する不明点がある場合は、最寄りの労働局に相談しましょう。

業務委託契約を結んで上手に収入を増やそう!

業務委託契約を結び複業ワーカーとして仕事に励むと、収入アップにつながるかもしれません。フリーランスの中には異なる業種の仕事に取り組み、経済的なゆとりを持った状態で生活を送っている人がいるのも事実です。

今以上の収入を得たい人は、業務委託契約の仕事に取り組んで収入アップにつなげていくのもよいかもしれません。(提供:ANA Financial Journal

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