モトリーフール米国本社、2019年6月2日投稿記事より

米国の株式投資は長期的には優れたリターンを生み出してきました。

時として乱高下する場合があったとしても、慌てて株を売らずに長期保有していれば全般的には報われてきました。

ただし、投資に積極的になりすぎることも問題です。

米国では、多くの証券会社では、顧客が保有株を担保として使用し、株を追加購入することができます。

つまり、顧客が株を証拠金としてお金を借りることを許可しているのです。

調子がよければ大いに儲けることができますが、負けると全てを持っていかれます。

株式投資
(画像=Getty Images)

上昇局面で証拠金取引を利用するとパワーを発揮

市場の上昇中に証拠金取引を使用すると、すごいパワーを発揮します。

過去10年間で、S&P 500は年間約14%も上昇しました。これは、S&P500に連動したインデックスファンドに投資した場合、3倍以上になります。

なお、この期間の金利は非常に低く、証拠金でお金を借りるのは比較的容易でした。

証拠金による運用がどのように機能するかを見るために、簡単な例を見てください。

投資家が10,000ドルの株式ポートフォリオを持っていて、投資するために証拠金を使って5,000ドルを借りたいとしましょう。

4%で証拠金ローンを得られると仮定し、来年の市場のリターンは14%と想定します。

証拠金なしで10,000ドルを投資するならば、計算は簡単です。14%のリターン場合、年末に元利合計で11,400ドルになります。

しかし、証拠金を借りれば、もっと儲かります。追加の5,000ドルで14%のリターンを得ることができ、元利合計で5,700ドルになります。

そして、借りた5,000ドルに対して4%の利子を支払うために、200ドル分を返済します。

しかし、ローンを返済した後も500ドルの利益を得ることになります。

つまり、合計で11,900ドルを得ることができるのです。

トータルリターンは19%です。

証拠金を利用してレバレッジをきかせると、元利合計額に大きな違いが出ます。

14%で10年間複利計算すると、10,000ドルの投資が約37,000ドルになります。

これを、証拠金を活用して19%に上げると、元利合計額は約57,000ドルになります。

証拠金運用の危険性

証拠金運用がうまくいくのは、市場のタイミングが良い時です。物事がうまくいかないときはすべてを持っていかれます。

2015年にバリアント・ファーマシューティカルズ(現在はボッシュ・ヘルス(NYSE:BHC))のCEOだったマイケル・ピアソンは、同社株が急落し、証券会社が約1億ドルの証拠金ローンをカバーするために株を売却したとき、彼は結局マージンコール(追加証拠金)により、全ての保有株を失うことになりました。

最近では、テスラ(NASDAQ:TSLA)のCEOであるイーロン・マスクは、株を売ることなく、そして議決権を放棄しないよう、自分の持ち株の価値を最大限に引き出すために証拠金取引を使っています。テスラの株価は、年初来では大きく下落しています。

証券会社は、彼がどれだけの余裕資金を持っているのかを懸念しています。

これは普通の投資家にも起こります。

1990年代後半の強気相場とそれに続く2000年代初頭を振り返ると、証拠金取引の悲劇的なエピソードがたくさんあります。

証拠金取引には「ノー」というだけです

証拠金取引を使った高いリターンは、市場が上昇局面にあるときはすばらしく見えます。

しかし、そのリスクは潜在的な利益を上回ります。

証券会社があなたの株式をすべて売却するような状況に陥るよりも、証拠金取引など使わず、株式ポートフォリオをきちんと管理すべきでしょう。(提供: The Motley Fool Japan


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元記事の筆者Dan Caplingerは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、テスラ株を保有し、そして推奨しています。モトリーフール社は、ボッシュ・ヘルス株を推奨しています。