平成から令和への代替わりで皇室が注目される中、上皇・上皇后両陛下が在位中に、最後の地方訪問に選ばれたのは伊勢神宮でした。宇治橋前に設けられた記帳所には、平成への感謝の気持ちを表そうと長い列ができるなど、改めて国民と伊勢神宮との深いつながりを感じさせます。ここでは、2000年以上の歴史を持つ伊勢神宮の歴史から、伊勢のおすすめの旅スポットまで、まとめてご紹介します。

伊勢神宮の起原は約2000年前に遡る

日本人の心のふるさと、伊勢神宮へ行こう
(写真=cowardlion/Shutterstock.com)

伊勢神宮の正式名称は「神宮」といい、正宮である内宮(ないくう)と外宮(げくう)を含む大小125の神社の総称です。伊勢市内を中心に県内各地に別宮や摂社などを抱えていて、内宮には太陽を神格化した天照大御神(あまてらすおおみかみ)、外宮には天照大御神の食事をつかさどり、食事や産業の神様でもある豊受大神(とようけのおおみかみ)を祭っています。

伊勢神宮は日本の神社において最高峰の格式と規模です。天照大御神は、奈良時代には皇居内で祭られていました。約2000年前の垂仁(すいにん)天皇の時代に、よりふさわしい場所を探して近畿や東海の各地を巡った後、現在の三重県伊勢市五十鈴川(いすずがわ)の地に落ち着いたといわれています。伊勢信仰が全国に広がったのは、江戸時代です。

御師(おんし)と呼ばれる仏教の僧侶に当たる役職を持つ人たちが全国的な檀家組織を作ったことで、一気に広まりました。御師は各地の檀家の家々を訪ねて御札と祈祷を授けます。一方、伊勢におかげ参りで訪れた檀家を宿泊させて内宮と外宮を案内することを生業としていました。現在伊勢神宮では、その年の収穫を神に感謝して、国家安泰と翌年の五穀豊穣を祈る神嘗祭(かんなめさい)を行います。

さらに毎日、朝夕に外宮で天照大御神に食事を供えるお祭りなど年間約1,500回もの神事を行いながら、伝統を受け継いでいるのです。

なぜ伊勢神宮では外宮を先に参拝するのか

伊勢神宮の参拝は外宮から内宮の順に回るのがよいとされています。伊勢神宮のお祭りが内宮に先立って外宮から始まることから、外宮の豊受大神にお参りした後、内宮を参拝するならわしです。内宮は右側通行、外宮は左側通行です。手水舎が見えてきたら、手を清めてから奥へと進みましょう。内宮では本来、五十鈴川の水で身を清めてから参拝していました。

今でも、手水舎から少し進むと川に降りられる御手洗場(みたらし)があるので、川の水で手を洗ってみてください。なお内宮と外宮のお宮は、伊勢神宮の中でも特に神聖な場所とされています。そのため、お宮そのものの写真撮影は控えましょう。内宮は石段の下から、外宮は板垣の外からの撮影は許されています。

伊勢神宮へのアクセスは鉄道が便利

中部国際空港駅から名鉄線で名鉄名古屋駅へ向かい、近鉄線乗り場へ移動して、近鉄名古屋駅から近鉄線に乗って約1時間20分で、伊勢神宮の最寄りの伊勢市駅に到着します。名古屋からJR線の場合は、JR名古屋駅から約1時間40分で伊勢市駅にアクセスできます。伊勢市駅から外宮または内宮までは、周遊バスが便利です。

自動車の場合は、伊勢自動車道経由で東京から約5時間20分、大阪から約2時間40分、名古屋から約1時間40分です。外宮と内宮は一般県道で約10分の距離に位置しています。ホテルや旅館は内宮周辺と、外宮や伊勢市駅周辺に多いほか、夫婦岩で有名な二見浦にも集まっています。

伊勢神宮に来たら「おかげ横丁」は外せない

日本人の心のふるさと、伊勢神宮へ行こう
(写真=beeboys/Shutterstock.com)

伊勢神宮を参拝したら、ぜひ内宮近くのおかげ横丁を訪れましょう。江戸時代の街道のにぎわいを再現したエリアには、伊勢うどんや赤福をはじめ飲食店や土産物屋が軒を連ねています。松阪牛の串焼きが人気の茶屋や、日本酒がその場で飲める酒屋など、お伊勢さんの楽しい思い出になるお店と出合えるはずです。

日本人の心のふるさとともいえる伊勢神宮へ、一生に一度は行ってみよう

古代から皇祖神を大切に祭る伊勢神宮にお参りすれば、「日本人として生まれてよかった」という不思議な感動を覚えることでしょう。巨大な御神木がそびえ立つ広大な神域に入り、砂利の参道をゆっくり歩いて行けば、身も心も洗われるような体験が待っているはずです。ぜひ令和の改元を機に伊勢神宮への参拝で日本の心のふるさとに出会ってみませんか。(提供:ANA Financial Journal