子どもたちのために、変化の激しい時代に活躍できる力を育むことを目的として、大きな教育改革が始まります。「2020年教育改革」という言葉を聞いたことがあったとしても、具体的な内容までは把握できていない人もいるのではないでしょうか。この改革で、教育は何がどのように変わるのでしょうか。

変化の大きな時代に生き抜く力を身につける

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(写真=MR.Yanukit/Shutterstock.com)

2020年教育改革では、未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力」を、教育においてより重視することを目的としています。知識をそのまま使うのではなく、得た知識を応用して問題解決する能力が求められます。

教育の現場で大きく変わるのは、主に2つです。1つ目が小学校から高等学校までの一連の学習指導要領の改訂、2つ目はそれに伴う大学入試改革です。

学習指導要領とは、各学校で教える教育内容をおおまかに決めた指針です。学習指導要領に従った教育のおかげで、日本全国どこに住んでいても子どもたちはほぼ同水準の教育を受けることができます。学習指導要領が新しくなると教科書や授業の内容も変わるため、高校入試や大学入試の傾向の変化にもつながるのです。

具体的にどのような変化があるのか確認していきましょう。

新学習指導要領で変わること

新学習指導要領は、2020年度から2023年度にかけて、小学校から高等学校まで順次移行する予定です。「何ができるようになるのか」「何を学ぶのか」「どのように学ぶのか」という3つの方向性が示されていて、学ぶ内容だけでなく学び方にまで言及しているのが今回の改訂の特徴です。

新しい時代に必要となる資質や能力を身につける

「何ができるようになるのか」では前述した思考力・判断力・表現力を修得するほか、学びを人生や社会に活かせる人材を育てることを目標としています。

アクティブ・ラーニングを取り入れる

「どのように学ぶのか」については、これまでに多かったような、教師が一方的に知識を教える授業だけでなく、児童・生徒が学びの主体となる視点が取り入れられました。学びに興味を持ち自分たちで調べて発言をして、互いに意見を交わしながら学習を進めます。

英語教育の前倒しとプログラミング教育必修化

「何を学ぶか」の変化で大きなものは、英語教育の前倒しとプログラミング教育の必修化です。

これまで小学校高学年で行われてきた英語活動は小学3、4年に前倒しとなり、高学年では読み書きも含めたいわゆる英語の授業が始まります。さらに中学校以上では、これまでより「読む・聞く・話す・書く」の4技能がさらに重視されます。

小学校で必修化されるプログラミング教育については、プログラミング自体になじみがなく戸惑う保護者も多いのではないでしょうか。プログラミングという新しい教科が設けられるわけではなく、理科や算数などの時間に組み込まれます。プログラミング技術の習得そのものではなく、コンピュータを使って何かを作る体験から、プログラミング的思考を身につけることを目的としています。

大学入学共通テストの導入

大学入試改革による最大の変化は、これまで実施されていた大学入試センター試験に代わり2020年度から大学入学共通テストが導入されることです。実施時期や科目数は同じですが、試験の内容が変わります。

すべてマーク式だったセンター試験と異なり、国語と数学では記述問題も出題されます。これまでに実施した試行テストの問題から、どちらも3問程度になるとの予想です。

また、4技能の評価を目的として、民間の英語の資格・検定試験の成績も大学入試に活用できることになりました。民間試験の成績が大学入学共通テストや個別の大学入試の成績として評価されたり、各大学の入試出願資格として利用されたりします。高校3年生の4月~12月に受験した2回までの結果が利用でき、英検やGTECなど7種の試験が対象です。

2019年7月現在で決まっている大学入学共通テストの内容は、2023年度実施分までです。2024年度以降は新指導要領で学んだ生徒が受験するため、見直しが検討されています。2019年時点で中学1年生以下の子どもたちついては、また大きな変更がなされると考えておいてよいでしょう。

わが子に何をしてあげればいい?

間近に迫っている2020年教育改革ですが、2019年7月には、TOEICが運営上の複雑化を理由に大学入学共通テストへの参加を取り下げるなど、はっきりとしない点も少なくありません。不透明だからこそ情報を常に収集して、臨機応変に対応できるようにしておきましょう。

教育改革は段階的に導入されるため、現在の子どもの年齢によっても将来へのアプローチは変わります。親が手伝ってあげられることは、少しでも環境を整えてあげることと応援してあげることです。自分の力で生き抜く大人になれるように、サポートしていきましょう。(提供:ANA Financial Journal