ファイナンシャル・アドバイザー
(画像=Preechar Bowonkitwanchai/Shutterstock.com)

法人保険の新通達が出されるに至った経緯を、年表を交えながら振り返る。

法人生保の課税については、1962年に集団定期保険について全額損金を認める通達(直審〈法〉35)が初めて出されている(図表1)。以後、1980年に基本通達が発遣されるまでは、個別商品ごとに発遣されていた。特に、1971年に法人会の「経営者大型保障制度」について全額損金を容認する通達が発遣されたことで、法人に定期保険が積極的に提案されるようになった。

自動車保険や火災保険など損害保険の法人契約では、全額損金が当然と思われている。損害や賠償責任が発生した場合に備える契約であり、会社を維持・管理する必要経費として販売・一般管理費に仕訳されている。

生命保険の法人契約では、被保険者を中小企業経営者にするのが一般的だ。「エースで、4番で、監督」とも称されるトップセールスマンが死亡した場合などの損失を保障するために契約する。損害保険と同じように会社を維持・管理するために必要な契約として、損金処理は容認されるという考え方に基づいている。

この場合の契約は、当然に10年定期などの、解約返戻金がまったくないかあってもごくわずかな契約であることが前提となっている。国税庁は「定期保険は、危険(死亡)保険料と付加保険料のみで構成された生命保険」と定義しているからだ。

AFLAC(現アフラック生命)が、日本に進出したのは1974年であるが、翌年にはがん保険の法人契約も全額損金が認められている。

1980年、個別通達の発遣が煩雑となったため、統一基準として「基本通達」を発遣している。この時点で、定期保険は全額損金、福利厚生プランの養老保険は2分の1損金といった扱いが確立した。