不動産投資への参入を考えている人にとって、気になるのは融資の問題でしょう。不動産は高額商品の代表格であり、投資する収益物件も例外ではありません。資金調達ができなければ不動産投資を始めることもできないわけで、融資は不動産投資と「セット」と言えるでしょう。

そこで、2019年現在の不動産投資向け融資を解説します。融資は大きな事件やニュース、時代背景や景気動向などの影響を受けやすいだけに、これから不動産投資を始めたいと考えている人はぜひ参考にしてください。

融資がついてこその不動産投資

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(画像=Africa Studio/Shutterstock.com)

不動産投資は、融資を活用してこそメリットがあると言われます。その根拠は、レバレッジ効果にあります。レバレッジとは「てこの原理」の「てこ」のことで、少額の自己資金で大きな金額の取引ができるという意味で用いられます。

不動産投資では、自己資金と融資で調達した資金を合わせて収益物件を購入するのが一般的です。自己資金と他人資本である借入金を利用して物件を購入し家賃収入を得ることができます。これが、レバレッジ効果のメリットを享受するということです。

不動産投資で資産形成や収入増を目指すにあたっては、自己資金を効率的に活用しつつ、レバレッジ効果を味方につけることができるかどうかが重要なポイントです。

2019年の不動産投資向け融資事情

2019年の不動産投資向け融資事情を見ると、どうしても目につくのがスルガ銀行問題に端を発した融資に関する一連の不正に関するスキャンダルです。「かぼちゃの馬車」というシェアハウスを運営していたスマートデイズ社への不正融資から続々と発覚したスルガ銀行、さらに一棟アパート投資大手のTATERUで起きた融資書類改ざんなど、不動産投資業界を大きく揺るがすスキャンダルが相次ぎました。

これを受けて国も是正に動き、スルガ銀行は金融庁から行政処分を受け、TATERUには国土交通省から業務停止命令が出されました。

こうした流れに融資審査は大きな影響を受け、不動産投資向けの融資審査は厳しくなっています。これまでなら審査に通っていた属性の人でも、今は通らないというケースが続出しています。

金融機関は物件の価格妥当性や収益性、投資家の収入や返済能力などを入念に審査しますが、現在の審査では自己資金の最低ラインが上がっています。以前であれば自己資金1割、さらには自己資金ゼロのフルローンも可能な時期もありましたが、今は自己資金が物件価格の2割以上ないと融資を受けるのが難しくなっています。

不動産投資への新規参入、今後の見通し

融資審査が厳しくなっているのは事実ですが、だからといって不動産投資向け融資の需要がなくなったわけではありません。依然として不動産投資は有望と見られており、新規参入も相次いでいます。

自己資金2割という最低ラインや価格妥当性、収益性を厳格に審査している現在の状況は、不動産投資家にとって逆風ではありません。むしろこれが健全な姿であり、無謀な融資が実行されていた過去のほうが破綻リスクも高く、危険だったと言えるでしょう。

サラリーマン大家の中には無謀とも言える融資を受けていた人もいて、破綻してしまう人が続出したことが問題となっていたのも事実です。

2割以上の自己資金、収益性の高い物件選び、価格の妥当性、金融機関が提供するパッケージローンの活用などは、本来あるべき融資の姿なのです。現在の融資基準を満たして不動産投資を始めるということは、「安全性の高い投資」というお墨付きを金融機関からもらったということです。

現在は、以前よりも堅実な不動産投資を始められる環境が整っていると言えるでしょう。(提供:アセットONLINE


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