取引先の「良いところ」を見つける9
(画像=PIXTA)

STEP1 こんな資料・情報のココに注目しよう

取引先の良いところは「訪問しなければ見つけることはできない」というわけではない。金融機関が手に入れることができる資料などからも、良いところを推測することができる。以下では、主な公開資料・情報を挙げて、どんな点が良いところとなるのか、紹介していこう。

①決算書

釈迦に説法だが、決算書は数字で取引先の業績を表す資料だ。したがって、その数字から良いところを推測することができる。

例えば、㋐黒字か赤字か、㋑増収か減収か(または増益か減益か)、㋒自己資本は厚いのか、㋓借入水準は十分か、㋔新たに資産(固定資産)は増えていないか──といった点を見よう。

ただし、闇雲にこれら㋐~㋔に着目しても、良いところは見えてこない。経済サイクル(好景気・不況の時期)、取引先の体制変更(経営者の交代や工場等の移設・増設等)、取扱商品の変遷、販売先の変化──これらを踏まえて決算書を見直すと、取引先の良いところが見えてくる。例えば、次のような点が良いところとなるだろう。

Ⓐ不況期にもかかわらず一定の売上や利益を維持していれば、厳しい経済環境を切り抜ける経験が身についているといえる

Ⓑ雑資産が少ない取引先は、オーナー(経営者)と会社の資産がきちんと分離されていると考えられる。それだけ経営が厳格に行われている証左になる

Ⓒ研究開発費が多い(繰延資産が多い)取引先は、高い技術を持っているといえる。