相続の対応実務から取引深耕までを解説
(画像=PIXTA)

相続預金の一部だけ分割したいと言われた場合や、相続発生後にATM等で預金が引き出された場合はどう対応しますか。

遺産分割にあたり「遺言」がない場合は、法定相続人全員で「遺産分割協議」を行うこととなる。その場合、まずは法定相続人および相続財産(遺産)の確定が必要だ。

しかし、遺産の調査に時間がかかったり、特別受益や寄与分について相続人間で主張の相違があったりして、スムーズに遺産の確定が進まないことも少なくない。その段階で、相続人が「確定している一部の遺産を先に分割したい(取得者を決めたい)」と希望することがある。

この場合、全相続人の合意の下で遺産の一部分割を行うこともあった。改正前民法では遺産の一部分割ができるか否かが明確にされていなかったからだ。

また、遺産を調査すると、被相続人の死亡後に、相続人の1人が相続財産である預貯金の一部を処分した(引き出した)ことが判明するケースがある。遺産分割は本来、「遺産分割時点」の財産を相続人で分割すると考えられており、結果として相続人間で不公平な遺産分割となることがあった。

協議が調わなければ家裁に一部分割の請求可