押さえておきたい
(画像=Sandi Gorkic/Shutterstock.com)

近年の倒産傾向やその特徴を解説したうえで、倒産に関する最新の変化や金融機関の融資推進・与信管理において今後注意を要する業種について紹介する。

2018年度までの倒産傾向とその特徴

最近の倒産のピークは2008年度の1万3234件で、月平均にして1000件以上の倒産が発生していた。当時はリーマン・ショックにより世界的に景気が後退し、日本でもその影響が大きかったことが背景にある。多くの大手企業で急激に業績が悪化し、それが下請先にも影響して企業の倒産件数が増加した。

しかしその後、国内景気はなかなか上向かない状況が続いたが、09年12月に施行された中小企業金融円滑化法(以下、金融円滑化法)によって、景気が低迷する中でも企業倒産は減少に向かうようになる。

金融円滑化法は、金融機関への返済に窮しているような中小企業が返済スケジュールの見直しなどを求めてきた際に、銀行等はできる限り貸付条件の変更などを行うように努める――といった内容の法律だった。時限立法として施行された金融円滑化法は13年3月末をもって終了したが、その後も金融庁が各金融機関に対して、引き続き返済猶予などの要請には柔軟に対応するよう求めた。そのため、最近でも企業からの返済猶予に関する申請に対する実行率は約97%と高い水準が続き、それが倒産を抑制し続けているともみることができる。

倒産件数は小康状態だがサービス・小売では増加