住宅ローンを借りる際に「団体信用保険」という住宅ローンの保険があることをご存知だろうか。住宅ローンは金額も非常に大きく返済期間も長いため、万が一返済ができなくなった場合の不安は当然でてくる。そんな万が一の時に役立つのが「団体信用保険」だ。日本人の多くは保険に入っているためなじみ深いが、住宅ローンにも保険があり生命保険に似た部分も持ち合わせている。今回は団体信用保険の種類や保障内容、料金、入れない場合の対策について解説する。

団体信用保険(団信)とはどんな保険か

住宅ローン,団信,とは,種類,保障内容,料金,解決策
(画像=REDPIXEL.PL / Shutterstock.com)

団体信用保険(団信)とは住宅ローン返済中に債務者の身に万が一の状況があった際に住宅ローンの債務を保険によってまかなう制度だ。住宅ローンは返済期間が長く返済金額も大きいため、万が一があった場合に支払い不能になる可能性が高い。被保険者に万が一が発生した場合に連帯保証人や連帯債務者、保証人といった方に迷惑があってはいけない。そんな万が一が起こったとしても団体信用保険(団信)に加入しておけば保証を受けることができる。何があるか分からない人生で長い期間住宅ローンを組むので、少しでも安心できる形をとりたいというニーズから団体信用保険(団信)は人気のサービスとなっている。

団体信用保険(団信)のお金の流れは、保険会社から金融機関をはさんで被保険者に住宅ローンを提供する。被保険者は金融機関をはさんで保険料を保険会社に支払う仕組みだ。従って保険金は保険会社から金融機関に保険金を支払うので、団体信用保険(団信)は被保険者と金融機関、保険会社の3つで成り立っている。

団体信用生命保険の種類は4つ

団体信用保険(団信)の種類は大きくわけて以下の4つだ。以下の表に各団体信用保険(団信)の特徴を簡単に記した。

機構団体信用生命保険(機構団信) フラット35に加入していることが必須。
住宅ローンとは別に保険料の支払いが必要。
信用保証協会団体信用生命保険(保証協会団信) 住宅ローンとは別で掛け捨ての保険料を支払う。
中央労働銀行団体信用生命保険(ろうきん団信) 強制加入の団体信用保険(団信)。
保険料は住宅ローンの中に含まれている。
一般金融機関の団体信用生命保険 上記3つ以外の団体信用保険(団信)。
金融機関からの団体信用保険(団信)となり加入は必須。

それでは4つの団体信用保険(団信)について詳しくみていこう。

1.機構団体信用生命保険(機構団信)

機構団体信用生命保険(機構団信)は「フラット35」に加入している住宅ローンを組んだ人に対して住宅金融支援機構が提供している団体信用保険(団信)だ。保証期間は満80歳になる誕生日月の末日まで保証を受けることができる。機構団体信用生命保険(機構団信)は全国300以上の金融機関と提携していることか安心して利用できる団体信用保険(団信)だ。機構団体信用生命保険(機構団信)の保険料支払いは住宅ローンとは別に保険料を支払う必要性がある。

2.信用保証協会団体信用生命保険(保証協会団信)

信用保証協会団体信用生命保険(保証協会団信)は一般社団法人全国信用保証協会連合会によって運営されている団体信用保険(団信)だ。信用保証協会団体信用生命保険(保証協会団信)の加入は任意加入となっており保険料は掛け捨てとなっている。

3.中央労働銀行団体信用生命保険(ろうきん団信)

中央労働銀行団体信用生命保険(ろうきん団信)は中央労働銀行が運営している団体信用保険(団信)で加入は必須となっている。中央労働銀行団体信用生命保険(ろうきん団信)の保険料は住宅ローンの中にふくまれているため強制的に支払うものとなっている。

4.一般金融機関の団体信用生命保険

一般金融機関の団体信用生命保険は金融機関が提供している団体信用保険(団信)となっており加入は必須だ。自身が借りる住宅ローンと一緒に加入するためこちらも強制徴収となっている。

団体信用生命保険の保障内容

団体信用保険(団信)の保障内容は以下の3つとなっている。

・死亡時・高度障害保障
・三大疾病保障
・七・八大疾病特約付団体信用生命保険

生命保険に似た部分があり死亡や高度障害、三大疾病や八大疾病といった債務者にとっての「万が一」が発生した際に保険金が下りる仕組みとなっている。

1.死亡時・高度障害保障

最初に紹介するのは死亡時・高度障害保障だ。住宅ローンの債務者が死亡または高度障害となり住宅ローンの返済が困難になった際に、団体信用保険(団信)から保険金がおり弁済する仕組みである。

2.三大疾病保障

次に紹介するのは三大疾病保障だ。三大疾病保障とは「がん」や「急性心疾患」「脳卒中」の三種類となっており住宅ローンの債務者が上記の三種類の疾病にかかり住宅ローンの返済が厳しくなる保険金がおり弁済する仕組みである。

3.七・八大疾病特約付団体信用生命保険

三大疾病保障に「糖尿病」や「高血圧疾患」「肝疾患」「腎疾患」を加えているものをいう。上記の七種類の疾病にかかり住宅ローンの返済が厳しくなる保険金がおり弁済する仕組みである。八大疾病特約付団体信用生命保険になる場合は「慢性膵炎」が加わったものとなり生命保険に似た規約となっている。

保険料がどのタイミングで支払われるのかというと余命6か月と診断された際やがんと診断された場合など「各病気にかかったか」と「どのくらい重症なのか」といった部分で判定がくだされる。生命保険に似ているので自身が加入している生命保険と同じ内容であれば二重に保証をうけていることとなり保険料の支払い損だ。

従って自身の加入している生命保険もみながら決めなければいけない団体信用保険(団信)だ。

団体信用生命保険の保険料は月々いくら?

団体信用保険(団信)の特徴がわかったところで保険料が一体いくらなのかみていこう。団体信用保険(団信)の保険料は住宅ローンの残債と密接な関係をもっているため残債が大きいと支払う保険料も大きい。

例えば機構団体信用生命保険(機構団信)で1,000万円の住宅ローンを組んだとして35年の返済期間を設けていたとする。そうすると団体信用生命保険への支払い総額は745,400円となり1年目で35,800円、5年目で33,500円となる。機構団体信用生命保険(機構団信)を基準に考えると三大疾病保障や七・八大疾病特約付団体信用生命保険は約1.5倍の保険料を支払うことになる。

団体信用生命保険の知っておくべきポイント

団体信用保険(団信)の知っておくべきポイントを解説する。条件によっては団体信用保険(団信)に加入できない方もいるため注意が必要だ。

民間の金融機関は、住宅ローンの借入れに団体信用生命保険の加入を条件にしている

多くの民間金融機関は住宅ローンを組む際には団体信用生命保険が必須条件となっている。これは住宅ローンの債務者の返済不能リスクを回避するためだ。

健康診断次第では加入できないかも!?

生命保険と同様に健康診断の診断結果によっては団体信用保険(団信)に加入できない可能性もある。団体信用保険(団信)側からするとリスクのある人に貸し付けしたくないためだ。

保障以外でのケガや病気のリスク

保障以外でのリスクもあることに注意を払う必要がありケガや病気に関する部分もしっかり把握しなければいけない。特に三大疾病保障や七・八大疾病特約付団体信用生命保険に関しては生命保険と同様の目線で病気のリスクによって返済がどうなるかを考えなければいけない。

生命保険と重複して無駄な保険料を払っていないか注意する

最後は「生命保険と重複して無駄な保険料を払っていないか注意する」といった部分だ。上述したが七・八大疾病特約付団体信用生命保険は生命保険と内容がかぶっている部分が多い。

そのため生命保険と保障内容がかぶっていた場合、保険料の払い損となってしまう。三大疾病保障や七・八大疾病特約付団体信用生命保険を検討しているのであれば保障内容がかぶっていないかしっかり検討しよう。

団体信用生命保険に加入できない場合は「フラット35」を活用

「団体信用保険(団信)への申し込みをどこも断られてしまって加入できない」といった人もいるだろう。そんな団体信用保険(団信)が利用できず途方に暮れている場合は「フラット35」を利用することで問題を解決できる。

フラット35とは

フラット35とは「固定金利」や「保証人不要」で長期35年の住宅ローンを組む商品の一つだ。返済期間は15〜20年か21〜35年、利率が年1〜1.8%と利率が低いこともあり最近の住宅ローンを組むさいはフラット35を利用する場合が多い。

団体信用保険(団信)にはいれなかった場合に団体信用保険(団信)を検討する理由は、フラット35には団体信用保険(団信)がついてくるためだ。フラット35にはいってしまえば団体信用保険(団信)にはいっているのと変わりないので、団体信用生命保険に落ちてしまった人はフラット35を検討してみよう。

リスクに備えた団体信用生命保険の加入検討を

今回は団体信用保険の種類や保障内容、料金、入れない場合の対策について解説してきた。住宅ローンは返済期間も長く返済金額も大きい。

そのため万が一があった場合に必ず住宅ローンの支払いを完済するには団体信用保険の存在が必要不可欠といえるだろう。団体信用保険には生命保険に似たものもあることから、住宅ローンの心配をせずに日々の生活を過ごせることは精神面においても必ずプラスになるといえる。

また団体信用保険(団信)は確定申告や年末調整による控除をすることができないため生命保険と同じ様に「控除できるからお得」というわけではないことを理解しておこう。住宅ローンを組む際は自分にあった団体信用保険を検討してみよう。