ここでは、預金口座について、契約上の法的性質や預金科目・特徴などをQ&A形式で解説します。
Q1 預金契約とは何?どのように成立するものなの?

(画像=PIXTA)
A.
預金契約は、寄託契約の1種といえます。寄託契約とは他人に物の保管を委託する契約のことであり、預金契約でもお客様は金融機関にお金を預けます。
ただし、預金契約では金融機関は預かったお金をそのまま保管するのではなく、預かったお金を自由に消費・運用して、お客様から請求があったときに同額の金銭を返却します。預金契約のように、寄託物(金銭)を自由に消費(運用)して寄託者(預金者)に同種、同等、同量のものを返還する契約を消費寄託契約といいます。
消費寄託契約について、消費貸借契約を準用しています。消費貸借契約とは、種類や品質、数量が同じ物を返還する代わりに、金銭などを受け取る契約のことです。
この消費貸借契約が要物契約とされていることから、消費寄託契約も要物契約とされています。要物契約とは、契約の成立に目的物の授受が必要な契約のことです。要物契約に対して、当事者間の意思の合意だけで成立する契約を諾成契約といいます。
つまり、預金契約は「預けます」「預かります」という当事者間の意思の合意だけでは成立せず、成立するには目的物となる金銭等の授受が必要となるのです。