学生の頃に学校で金融教育を受けた記憶はあるでしょうか。

私はせいぜい家庭科の時間にクレジットカードのリボルビング払いは返済が大変だから気をつけるようにと教えてもらった記憶しかありません。

私が投資の勉強をはじめたのは大人になってからです。

私の場合は香港株に投資をしていた友人のすすめで日本株ではなく中国株の投資をはじめ、香港やアメリカの現地の金融機関に口座を開設して取引をしたり試行錯誤しました。

現地の金融情報サイトなどを辞書を片手に読み漁ったり、投資翻訳本で有名なパンローリングのセミナーに参加したり、証券会社が主催する勉強会に足を運び投資関係の雑誌を読み漁り勉強してきました。

もちろん自分で投資をして日々損をしたり利益を出したり、よく分からない確定申告もしました。

少しずつ実践で金融や投資の知識を勉強しなければいけませんでした。

個人的には子供の頃から金融教育を受けたかったなと思っています。

若い頃から金融教育を受けマネーリテラシーの基礎を身につける機会が日本にはまだまだ少ないのではないでしょうか。

せめて仕組みとして整っていなくとも保護者・教師が機会を見つけて金融教育を子供に意識的にしていきましょう。

ファミリー
(画像=Getty Images)

日本の金融教育の現状

日本の金融教育にかけられる年間の時間

実態調査報告書によると、日本の中高の金融教育にかけられる年間の時間で最も多かった時間数は以下の通り。

  • 中学1年生:「0時間」(74.2%)
  • 中学2年生:「0時間」(58.2%)
  • 中学3年生:「1~5時間程度」(44.6%)
  • 高校1年生:「1~5時間程度」(60.9%)
  • 高校2年生「1~5時間程度」(49.3%)
  • 高校3年生:「1~5時間程度」(47.7%)

ほとんどの中学校・高校の生徒は年間に0時間〜5時間程度しか金融教育を公的な学校で受けられないことが分かります。

家庭科や社会の時間に、ほんの少し触れるかどうかというのが学校現場の金融教育の実態です。

私が家庭科の時間に少しだけ家計の勉強やクレジットカードの注意を教えてもらっていた頃と大きな差はないのかもしれません。

教育現場でも金融教育は課題が山積み

教育現場でも金融教育は課題が山積みです。

日本の学校教育では学習指導要領に沿って授業を進めなければいけません。

先生が勝手に金融教育は大事だから年に50時間指導するとはいかないわけです。

しかし、教員側も金融教育は必要だと認識している人も少なくありません。ただ課題もたくさんあります。

そもそも教える側自身が金融に関する知識に詳しいとは限りません。

金利・金融商品の種類やリスク・リターンの関係など実践的な学生向けの教科書も充実していません。

外部講師を招く取り組みもありますが、まだまだ一部の学校にとどまっています。

英米の金融教育は日本より進んでいる

よく言われるのが海外の金融教育は日本よりも進んでいるということです。

イギリスやアメリカでは金融教育が日本よりも先行して普及しています。

イギリスの金融教育

イギリスの金融教育では全ての年代で金融ケイパビリティー教育が行われています。

貨幣についての概念やお金の管理の仕方、資産運用の基礎まで発達段階に合わせて学べる仕組みが採用されています。イギリスは世界有数の金融立国です。

日本のNISAのモデルになったISA「少額投資非課税制度」もイギリスの制度です。

未成年でも親や祖父母が資金を拠出できるジュニアISAという制度もあります。

金融立国イギリスでは教育の場で十分にマネーリテラシーを学ぶ機会があり、ジュニアISAなどを通して親子で投資に取り組める仕組みもあるのです。

アメリカ合衆国の金融教育

アメリカ合衆国は州によって教育制度が違います。

州によって運転免許が違うぐらい、それぞれ独立しているのです。

しかし州によって差はあるものの、「Jump $tart」などの機関がパーソナルファイナンスなどの教育を後押しされています。

州によってパーソナルファイナンスのコースの提供が義務付けられていたり、一部の州ではテストまであったりします。

金融教育は家庭での教育も必要

公教育の金融教育が現時点で発展途上となると、子供の金融教育ができるのは家庭です。

家庭によってマネーリテラシーに大きな格差が生まれます。

資産形成に対する意識づけは基本的には早い方が若いうちから取り組めます。

まずは保護者自身が金融について勉強しよう

保護者自身が金融について改めて勉強して、基本的なマネーリテラシーを身につけなければ、子供に教えることはできません。

学校からも家庭からも金融の基礎的な教育を受けていないと、勉強する機会はなかったのではないでしょうか。

個人だけでなく家として資産を形成していくためには、まずは保護者の方がマネーリテラシーを身につける必要があります。

FP3級の内容はよくまとまっている

金融の基礎やマネーリテラシーをどこで学べば良いのか悩む人も多いのではないでしょうか。

情報は簡単に手に入る時代ですが、情報が断片的に散らばっているため、何から手をつければ良いのかわからず途方にくれる人もいるかもしれません。

例えばですがファイナンシャルプランナーという資格があります。

保険の営業をされている方や銀行員などがよく取る資格です。

ポジショントークのない基礎的なマネーリテラシーを一通り身につけるなら、ファイナンシャルプランナーの参考書はよくまとまっています。

初歩的な3級の本は教科書の代わりになります。

子供と一緒にNISAをはじめよう

未成年向けの非課税投資制度にジュニアNISAがあります。

親・祖父母などが子供や孫の代わりに代理で運用を行える制度です。

子供と一緒にNISAを運用しながら、資産運用の基礎やどのような金融商品があるのかなど話し合う機会を設けるのも良いでしょう。

村上財団の取り組み

株投資の経験が長い人なら、物言う株主として有名な村上ファンドの名前を聞いたことがあるでしょう。

公教育ではありませんが村上世彰氏の財団が通信制高校のN高の投資の顧問になったり、子供投資実体験プロジェクトなどを企画しています。

このような私設の団体の取り組みや、金融機関などが行なっている投資教育などをうまく保護者の判断のもと活用してみるのも良いでしょう。

まとめ

日本の公教育では金融教育は十分になされていないのが現状です。

イギリスやアメリカの中高生が公教育の中で金融を学ぶ機会がある一方、日本ではあまりないのです。

金融教育で差がつくのは、家庭での教育ということになります。

もしも保護者の方自身がマネーリテラシーに詳しくなければファイナンシャルプランナー3級などの本を一通り読んでおくとよいでしょう。

ジュニアNISAを通して子供と実践を通して投資について経験してみるのもよいでしょう。

日本の金融教育の今後に期待すると同時に家庭内での金融教育にも意識的に取り組みましょう。(提供: The Motley Fool Japan


記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。