■社長は厳しい人生でもまれ、疑り深い……ほとんどが性悪説的
「人間の天性は悪であり、社会秩序が破壊される原因は人間の欲望にある。この自然の産物を後天的な努力によって教化すれば、凡人でも聖人になれる。聖人も凡人も天性は変わらず、先天的に定まった人格ではない」(性悪説・荀子)
「人間は社会的動物であるため、生まれながらにして同族の悲しみを看過することができず、また他人を慈しむ心を持っている。人間の天性は善である。人間が学問をし、努力するのは天性を拡大することである」(性善説・孟子)
人間の本性をどうみるか、わが国では性善説と性悪説が有名です。社長は複雑・多様な考え方をしますから、もちろん、一概にはどちらか決め付けるわけにはいきません。しかし、基本的には性悪説で物事を考えていると想定して、性善説的な社長は例外と考え、対応しなければなりません。
しかし、世に名を残すような優秀な経営者は違います。私の経験、また、自叙伝等の著作を拝見しても、性善説です(松下幸之助氏の例で後述)。