40代に差しかかると、配偶者との関わりや子どもの行事、家族と過ごす余暇など、仕事以外にもやりたいことが多く出てきます。ワーク・ライフ・バランスに悩み、今のキャリアのままでよいのか迷ってしまった時には、これまでの振り返りとこれからどうありたいのかを可視化してみましょう。
働く女性は増えているが、思ったように働き続けるのは難しい

働く女性は増加し続けています。総務省の「労働力調査(2018年)」によると、2018年の働く女性は2,946万人で、十年前の2008年と比べて約300万人増加しています。
また、NPO法人GEWEL(ジュエル)の「働く女性の意識調査 2017」では、回答者の56.4%が定年まで働き続けたいと回答しています。
しかしその一方で、日本では女性が思い通りに働き続けられるような体制はまだまだ整っていません。政府は女性の活躍を促していますが、働く女性の妊娠・出産・育児のサポートが十分とはなかなか言い難い現状です。
仕事と育児の両立に悩む女性は多くいます。働く女性のうち、約5割の人が第1子出産後に退職しているといいます。さらにそのうちの4分の1は、「仕事は続けたいが育児との両立が難しい」という理由によるものだそうです(厚生労働省「仕事と育児の両立支援に係る総合的研究会報告書」より)。
妊娠・出産・育児というライフイベントを終えた後、思い描いた通りのキャリアを築いていける女性は多くないことが分かります。家庭と仕事を両立したいのなら、一度立ち止まり、キャリアを再考することも大切です。
これからのキャリアについて再考する
仕事よりも家庭に重きを置きたい、家庭を大切にしつつ好きな仕事を続けたいなど、理想の生活像や仕事像がある人はまずそれをすべて書き出してみましょう。自分の将来を考えることで、今やるべきことも見えてきます。
キャリアの棚卸し・自己分析をしてみよう
理想の生活・働き方が見えてきたら、次にキャリアの棚卸しを行いましょう。以下の質問に答えることで、これまで自分が培ってきたキャリアが分かります。
1.これまで勤めた企業と年数
2.そこでしていた業務
3.自分が得意としていた業務
4.得意とする業務で人より優れていたもの
5.自分のスキルを磨くために行ってきたこと
6.これまでに取得した資格
7.一番好きな業務
どのような業務が好きで、どのような業務が人よりも得意なのか、今持っている資格などが可視化されることで、就職活動・転職活動の方向性も見えてくるでしょう。
キャリアコンサルタントの手を借りる
今後のキャリアについて一人で考えるのは難しいという場合には、キャリアコンサルティングを受けてみるのも手です。キャリアコンサルティングは転職活動にも有効です。出産や育児で一度退職している人の再就職にも役立ちます。
女性のためのキャリアコンサルティングや起業支援・就職支援は行政が主体となって行っているものもあります。まずは自治体の窓口などで、女性のための支援がないか確認してみましょう。無料で利用できるイベントもあります。
なぜ働くのかを明確にする
魅力的な働き方を実践するためには、なぜ自分は働くのか、仕事に何を求めているのかを明確にする必要があります。
企業の中で出世しながら活躍したい人は、女性管理職が多い企業を中心に転職活動を進めるのも一つです。また、縁の下の力持ちとしてバックオフィス業務を続けていきたいのなら、これからは単純作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)について理解を深め、ロボットに代替されない仕事を模索していく、といった視点も大切になるでしょう。
家計の収入を増やすために仕事を続けたい場合には、時給や月給が上がるように必要な資格を取得したり、社内検定を受けたりすることで、同じ職場でもより高い収入を得られるようになることもあります。
輝く自分であるために。「魅力的な働き方=いきいきとできる働き方」
収入のためだけに働き続けるのは難しいものです。仕事の中に「好き」を見いだせるか、何か・誰かに貢献できているか、やりがいを感じるかなど、収入以外に自分が納得できるプラスアルファが必要でしょう。魅力的な働き方とは、自分がいきいきとできる働き方と言い換えることもできます。
これまでのキャリアを振り返りつつ、これから行いたいこと、仕事で得たいことについて深く考え、キャリアアップの道筋となるキャリアパスを描いてみてはいかがでしょうか。 (提供:ANA Financial Journal)
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