以前、企業型DCの加入者はiDeCo(イデコ)に加入することはできなかった。ところが法改正によって2017年1月からは企業型DCも同時に加入できるようになっている。ただ同時加入には条件があり、企業型DCの規約で同時加入を認めた場合に限られている。どのような場合に、iDeCo(イデコ)と企業型 DCの両方に加入できるのだろうか。

現行のルールでは、同時加入はかなり限定的

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(写真=beeboys/Shutterstock.com)

結論からいうと同時加入できるケースは限定的だ。勤務先が企業型年金規約で企業型DCとiDeCo(イデコ)の併用を認めている場合に利用できる。しかし2017年1月に法改正があったばかり。対応している企業は少ないのが実際のところだろう。加えて、規約の変更にはiDeCo(イデコ)の掛金枠を設けるために、事業主掛金の上限を引き下げるなどの変更が必要となる。

企業型DCの掛金は一般的に勤続年数や昇給により増額するパターンが多く、事業主掛金の上限を下げると頭打ちになってしまうため規約の変更は簡単ではない。

マッチング拠出があるとiDeCo(イデコ)に加入できない

企業型DCで「マッチング拠出」を導入している場合は、iDeCo(イデコ)に加入できない。マッチング拠出とは、企業型DCで会社が拠出する掛金(事業主掛金)に加入者本人が給与天引きで任意に掛金を上乗せできる制度である。マッチング拠出もiDeCo(イデコ)の掛金もいずれも全額所得控除の対象になる点は共通しているが、マッチング拠出の金額は事業主掛金を上回ることはできないなどのルールが特徴だ。

同時加入した場合、それぞれ掛金に上限額がある

一方、企業型DCとiDeCo(イデコ)に同時加入できる場合、拠出限度額の範囲内であれば、事業主掛金を超える拠出も可能だ。掛金にはそれぞれ上限額が決められており、勤務先に確定拠出年金以外に「他の企業年金」があるかどうかで異なる。なお「他の企業年金」とは、厚生年金基金や確定給付企業年金(DB)などである。

【他の企業年金を実施していない場合】
・企業型DC:月額上限3万5,000円(年額42万円)
・iDeCo:月額上限2万円(年額24万円)

【他の企業年金を実施している場合】
・企業型DC:月額上限1万5,500円(年額18万6,000円)
・iDeCo:月額上限1万2,000円(年額14万4,000円)

iDeCo(イデコ)に加入するメリットと注意点

勤務先に企業型DCが導入されていても事業主掛金が少なく拠出限度額までの枠が残っている場合には、iDeCo(イデコ)の併用を検討したい。iDeCo(イデコ)も掛金が全額所得控除になり、非課税で運用が可能だ。またiDeCo(イデコ)の場合、気に入った商品や低コストの投資信託を扱っている金融機関(運営管理機関)を自分で自由に選ぶことができる。

一方で2つの口座を管理しなければならないため、管理する手間がかかる。またiDeCo(イデコ)の場合、口座管理費用は全額自己負担となる点も抑えておこう。

iDeCo加入者が転職で企業型DCに加入するケースの手続きは?

iDeCo(イデコ)に加入していたが、転職などを通じて企業型DCがある企業に入社する人もいるだろう。就職(転職)先の企業型DCに移換する。iDeCoの加入資格を喪失することになるため、加入者資格喪失の手続きを運営管理機関で行う。これまでの資産を就職(転職)先の企業型DCに移す。詳細な手続きは就職(転職)先の人事・労務で確認しよう。
 就職(転職)先への企業型DC規約で、iDeCoへの同時加入が認められている場合は、引き続きiDeCoの加入者として掛金を拠出する。この場合、企業型DCとは別に、国民年金の被保険者種別、または登録事業所の変更の手続きが必要になる。

 先述したように、勤務先で企業型DCに加入している会社員がiDeCoに同時加入する場合、会社ごとに事業主掛金の上限を引き下げるなど規約を変更する必要がある。

厚生労働省では、現在規約を変更せずに希望するすべての会社員が制約なく加入できるよう、制度の見直しに向けた各種の議論を始めているため、今後の動向に注目したい。(提供:確定拠出年金スタートクラブ

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