老後に備えiDeCo(イデコ)で積み立ててきた年金資産が、受け取る直前に大きく目減りしたら退職後の生活設計が変わってしまうこともあるだろう。例えば2008年のリーマン・ショックでは、日本株式は40%以上も下落した。このような相場の急落にはどう対処すればいいのだろうか。

相場が大きく下がっても冷静に対処

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(写真=Rido/Shutterstock.com)

株式型などリスクの高い投資信託で運用した状態で、受取直前に株式相場が暴落してしまった場合、やはり資産が減ってしまう影響は大きい。たとえ給付金を「一時金」で受け取る予定であったとしてもあわてないことが賢明だ。急落した場面で売却してしまうと、長期間、掛金を支払い運用してきた資産を大幅に目減りさせたまま受け取ることになるからだ。

予期せぬ暴落に直面してしまった場合、給付金の受取開始時期を先延ばしにすることを検討したい。一時的に価格が下がることはあっても、いつまでも下がり続けるということは考えにくい。過去の相場サイクルの一般的な傾向として、5~10年以上の長期で見れば相場は回復する可能性が高いのだ。もちろん運用のことなので確実とはいえない。

リーマン・ショック直後は大幅に下落したが、その後は株式市場が上昇して下落前の水準を回復している。iDeCo(イデコ)の場合、受取は原則60歳からできるが、60歳以降は運用指図者として70歳になるまでの運用しながら加入を続けることができる(掛金は払えない)。70歳までに、相場などの状況に合わせて考えればいい。

年金形式を選択して運用しながら分割して取り崩す方法も

iDeCo(イデコ)の老齢給付金の受取方法には「一時金」と「年金」がある。受取時に相場が崩れていた場合、一時金で受け取ってしまえば損失が確定してしまう。しかし「少しでもいいから給付金を受け取りたい」という場合は、受取方法として「年金」を選択すればよい。その場合、運用指図者となり年金資産を運用しながら受け取ることができるため、相場の回復を待ちつつ給付金を受け取れるのだ。

ただし、「年金」で受け取る場合は、年金資産がなくなるまでの間、口座管理手数料がかかり年金資産から差し引かれる点にも注意しておこう。

金融機関(運営管理機関)によって異なるが、年間1,000~5,000円程度の費用がかかる。また年金を受け取るたびに1回400円(税抜き)の「給付事務手数料」も必要だ。年間複数回受け取るとその分費用がかさむので年1回受け取るなど、最小限にとどめる工夫もおこないたい。

定年が近づいてきたら出口戦略を検討しよう。

これまでは直前に相場が急落してしまった場合の対処法について解説してきた。しかし受取直前の価格下落リスクを避けるためには、「何歳からどのような形で受け取るか」を計画的に考え、運用商品のリスク資産の割合を調整することが一番の対策となる。もし60歳から受け取るのであれば、50歳代では売却時点の価格下落を避けるため、リスクの高い資産を徐々に減らしていくことも考えよう。

株式投信を売却して債券や元本確保型の商品に切り替えるといった具合だ。そうすることで短期的な相場変動による影響を抑えつつ、受取直前の損失のリスクを回避することができるようになる。iDeCo(イデコ)の給付金の受け取りについては、以下のような内容を考えておくことが必要だ。

・受取開始前のリスク回避方法
・何歳から受け取るか
・一時金で受け取るのか
・年金で受け取るのか
・年金の場合は何年で受け取るか
・60歳以降も運用を継続するかなど

受取方法により税金の取り扱いや各種費用も関係してくるので自分にとってベストな選択を、他の企業年金(退職金)や公的年金も併せて総合的に判断したい。(提供:確定拠出年金スタートクラブ

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