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バンクビジネス
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今回、取り上げるサンプルは、衣料品販売会社G社の3ヵ年の貸借対照表です。大きな変化があるのは棚卸資産と短期借入金です。当期の棚卸資産は前期と比較すると大幅に増加しており、同時に短期借入金も大幅に増加しています。前々期から前期では変動がなく、当期にいきなり変化したことが見て取れます。その他の勘定科目の数値には目立つ変化は見当たりません。

このことから、G社の事業に何が起こっているのか考えてみましょう。ここでは、棚卸資産に着目して考えていきます。

棚卸資産とは、企業が持つ商品や原材料など在庫のことです。在庫管理は最も難しい業務の1つであり、管理が行き届かないことも少なくありません。管理が行き届かないがために、在庫が必要以上に残る過剰在庫に陥ることもあります。棚卸資産すなわち在庫が多ければ過剰在庫を疑う必要もあります。

過剰在庫には、資金の滞留や在庫維持費用の増加、陳腐化・品質劣化によるロスの増加といったデメリットがあります。このため、企業は通常、欠品しない最低量の在庫である適正在庫を維持することを考えます。適正在庫は、発注頻度が月1回であれば1ヵ月分の販売量、毎日発注できるのであれば1日分の販売量が目安になります。