食糧事情が改善され、医療が発達したことにより平均寿命が伸び、私たちの人生は100年時代を迎えたといわれています。そのような時代において今、従来とは異なる新しいキャリアプラニングや働き方、学び方が求められています。

そこでここでは、著名な「教育改革実践家」として知られる藤原和博氏が提唱する「3つのキャリアの大三角形」を紹介します。この方法を参考に、長い人生において、希少な人材となるために戦略的にキャリアを形成し、「100万分の1の人材」を目指しましょう。

3つのスキルを掛け合わせ、「大三角形」を作る

スキル,新しい価値
(写真=Dima Sidelnikov/Shutterstock.com)

「3つのキャリアの大三角形」とは、3つのスキルを三角形に例え、それぞれを掛け合わせることで希少性の高い人物を目指すというものです。20代で三角形の左足の軸(三角形の基点)、30代で右足の軸(三角形の底辺)、そして40代~50代で可能な限り大きく足を踏みだし、三角形の頂点を作ります。

第2の軸でどれだけ底辺を広げ、第3の軸でどれだけ頂点を高くできるかが、重要なポイントになります。例えば、第1の軸で営業職、第2の軸で広報職を選び、第3の軸は無難に営業か広報に関連性のある分野を選ぶ――これでは三角形の頂点が低くなり、面積が狭くなってしまいます。三角形の面積は広ければ広いほど良く、希少性の高い人材になれる可能性が広がるのです。

試行錯誤しつつ、第3の軸でどこまで自分にチャレンジできるか、どこまで高くジャンプすることができるかが、大三角形を作れるか小三角形になってしまうかの明暗を分けることになるでしょう。

「キャリアの掛け算」から、新しいものを創造する

それでは単純に、3つの違うキャリアを積む、あるいは資格を取得すればいいのかというと、決してそうではありません。三角形の頂点を最大限に高くするためには、第3の軸が「周囲を驚かせるようなサプライズ」である必要があります。重要な点はキャリアの「掛け算」です。3つのキャリアを掛け合わせ、そこから何か新しいものを創造することを意識してみましょう。

藤原氏の講演から一例を挙げると、20代でツアーコンダクター、30代で犬の訓練士としてキャリアを積んだ人が、40~50代で介護の世界に興味をもったとします。一見関連性のないキャリアのように見えても、3つの全く異なるキャリアから付加価値を生みだすことが可能なのです。例えば、犬連れで参加できるツアーの企画や、ドッグセラピーの提供、あるいは犬連れで入園できる介護老人ホームを運営するなど、さまざまなアイデアが広がります。

最初のステージで100人に1人の人材になれたと仮定すると、次のステージは1/100×1/100=1万人に1人、最後のステージでは1/100×1/100×1/100=100万人に1人の人材に到達するというわけです。

スキル習得には「1万時間」必要?

具体的には、どのように三角形を描くのでしょう。

まずは、キャリアを20代、30代、40~50代と3つのステージに分け、各ステージで5年〜10年かけて一流となることを目指します。3つのステージで、3つのスキルを習得できるというわけです。

また藤原氏は、一つのスキルに費やす時間の目安は1万時間だといいます。日本を含め多数の国が義務教育を約1万時間と定めていますが、これは学力や記憶力に関わらず、「学習、実践を繰り返すことで、物事を習得するのに必要な時間」が1万時間であるからだと藤原氏は主張しています。

また、正確性についての賛否は分かれるものの、「1万時間の法則」と呼ばれるものがあります。これはカナダのジャーナリスト、マルコム・グラッドウェル氏が手がけ、全米でベストセラーとなった著書『アウトライアーズ(邦題・天才! 成功する人々の法則)』で提唱している法則です。特定の分野を極めるためには合計で1万時間の「意図的な実践」が必要という理論をマルコム氏は唱えています。

30代で希少性を高め、40〜50代で飛躍する

どのようなキャリアを選び、どのような三角形を描くのかは自分次第ですが、「30代の間に三角形の底辺を広げて希少性を最大限に高め、40~50代にかけて高さを出し、三角形を作る」とイメージしていくとよいでしょう。(提供:ANA Financial Journal

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