中長期の安定的な運用を見据えた場合、配当金(分配金)の高さは大きな魅力です。ETF(上場投資信託)のなかには分配を実施する銘柄が多くありますが、基準価額の値動き次第では含み損を抱えてしまうこともあります。そこで気になるのが、高配当のETFがどのような指数を対象としているかです。

外国債券とREITが多い

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(写真=Fusionstudio/Shutterstock.com)

東京証券取引所の2018年4月〜2019年3月統計のデータによると、分配金の支払いを行っているETFは154銘柄となっています。そのうち、最も多い利回りの分布は1%以上〜2%未満で63銘柄あります。そして、3%以上の高い利回りの銘柄は34銘柄もあります(東京証券取引所の「分配金に着目したETF投資のご紹介 2019年6月版」より)。

資産別にみると、外国債券と、不動産であるREIT(リート:不動産投資信託)に投資するETFが比較的高い分配金利回りとなっており、平均利回りは3.12%。分配金のあるETFの平均利回り2.15%を大きく上回っています。

主なベンチマークは海外の指数

では、これらの資産はどのような指数を対象としているのでしょうか。

外国債券型のETFの上位銘柄では、新興国債券が対象の「ブルームバーグ・バークレイズ自国通貨建て新興市場国債・10%国キャップ・インデックス」をベンチマークとするETFや、先進国企業が発行する利回りが高いハイイールド債を対象とする「Markit iBoxx 米ドル建てリキッド・ハイイールド指数(TTM円ヘッジ付き)」の連動を目指すETFがあります。

一方で、REITの指数をベンチマークとするETFでは、米国の代表的なREIT指数である「FTSE Nareit Equity REITs インデックス(TTM 円建て)」や、日本を除くアジア各国の上場不動産のREIT指数である「FTSE EPRA/NAREIT アジア(除く日本)リート10%キャップ指数」をベンチマークとする銘柄があります。

外国債券型だけでなく、REITも海外の資産で構成される指数をベンチマークとするETFのほうが、分配金利回りが高い傾向にあるようです。

国内の高配当株へ投資するETFもある

分配金利回りの高いETFの対象指数をみても、いまいちピンとこないという人もいるでしょう。そんな方は、高配当を実施している国内の上場企業で構成される指数を対象とするETFもチェックしてみてはいかがでしょうか。

国内の高配当株という共通点はあるものの、ETFが採用する指数によってそれぞれ微妙に特色は異なります。

例えば「日経平均高配当株50指数」は認知度が高い日経平均採用銘柄のうち、配当利回りの高い50銘柄で構成されます。「野村日本株高配当70」は全場上銘柄のうち、財務面も考慮して今期予想配当利回りの高い原則70銘柄が対象となっています。また「MSCIジャパンIMIカスタム高流動性高利回り低ボラティリティ指数」は、売買代金などの流動性や配当利回りに加えて、指数全体の値動きを抑えるような構成銘柄が特徴です。

それぞれの指数の特徴は、組入銘柄をみると構成比率や時価総額などから違いをつかみやすくなります。ETFの商品ページで公開されているのでぜひ一度チェックしてみましょう。

指数そのものの推移と乖離率もみておく

ETFはベンチマークとの連動を目指す特性上、対象指数の値動きが悪化すれば運用も悪化します。過去数年の対象指数の動きをみて、どのような推移となっているか必ず確認しておきましょう。

またETFは構成比率や構成銘柄のわずかな違い、信託報酬などのコストによって、ベンチマークである指数と微妙な乖離が生じることがあります。指数との乖離率はETFの運用会社の月次レポートや、東京証券取引所のホームページにある適時開示情報閲覧サービスなどで確認できます。指数とのパフォーマンスの差をみておきましょう。

指数がどのような性格であるのかをチェックすることは、高配当ETFに限らずETF選び全般に重要な手順といえます。分配金利回りとあわせて忘れずにみておきましょう。(提供:ANA Financial Journal

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