モトリーフール米国本社、2019年10月14日投稿記事より

ライドシェアリング(配車サービス)大手のウーバー(NYSE:UBER)は、中東および北アフリカで人気のある同業のカリームを約31億ドル(約3300億円)で買収することを発表したわずか数カ月後、メキシコとチリで食料品宅配サービスを展開している「コーナーショップ」の買収を発表しました。

これは、ライドシェアリング事業とウーバー・イーツによる出前サービス事業を急速に拡大させているウーバーの食料品宅配サービスへの参入を意味しており、CEOのダラ・コスロシャヒもこれを認めています。

ウーバー
(画像=Getty Images)

困難な食料品宅配サービス

食料品事業と宅配事業は、それぞれ利益率が低く、競争が激しい環境です。

この2つの組み合わせた食料品宅配は、極めて厳しいビジネスと考えられます。

食料品宅配サービスは典型的なEコマースとは異なり、適切な温度や特定方法での保管、タイムリーな配達の必要性などの課題があります。

Eコマースの巨人アマゾンも、食料品宅配サービスでは苦戦しています。

巨額赤字でも事業拡大継続

ウーバーは巨額赤字にもかかわらず、ソフトバンクの強力なサポートもあり、事業拡大の挑戦を諦めることはありません。

カリーム買収に加え、ニューヨーク市内とジョン・F・ケネディ空港の間をヘリコプターで移動するUber Copter(「空飛ぶタクシー」)や人材の臨時派遣サービスのUber Worksなどの新規事業も立ち上げました。

第2四半期(4月〜6月)に、ウーバーの調整後EBITDA(支払い利息・税金・償却控除前利益)損失は前年同期比で2倍以上の6億5600万ドルとなり、上期全体では15億ドルを突破しました。

2019年通期の調整後EBITDA損失は30億〜32億ドルになるとウーバーは予想しています。

CEOのコスロシャヒはウーバーをアマゾンとよく比較しますが、アマゾンは決して大きく赤字になったことはなく、買収は常に慎重で戦略的です。

一方、ウーバーは成長が全ての企業体質で、収益性は二の次のようです。

コーナーショップは堅調なビジネスを展開しており、ウーバーによる買収後も現在の経営陣の下で運営を続ける見込みです。

しかし、ウーバーは年間数十億ドルの赤字を出していることから、コーナーショップの買収や食料品宅配へ進出に関して戦略的必要性があるかは疑問です。

少なくとも、コーナーショップの買収で黒字転換がさらに遅れることは確実でしょう。(提供: The Motley Fool Japan


元記事の筆者Jeremy Bowmanは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール社は、ウーバー・テクノロジーズ株を推奨しています。