様々な場面で活用される帝国データバンクの「信用調査報告書」。このデータにまつわる疑問に迫る帝国データバンクの北野信高氏へのインタビュー。第2回はユーザーが参考にしていることも多いという「評点」について説明してもらった。

北野信高(きたの・のぶたか)
帝国データバンク営業推進部 営業開発課 課長
平成12年、帝国データバンク入社。内勤を経て、調査部門で延べ2000社の信用調査業務を行う。本社営業推進部に異動後、金融機関をはじめとする大口顧客の課題解決サポートを主な活動とする。

評点以外のチェックポイントとは

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(画像=momoforsale/shutterstock.com,ZUU online)

――信用調査報告書を見る際に、「まず評点を見る」という声があります。金融機関出身者から「評点が一定以下だと融資が通りにくい」「60点以上なら、間違いなし」といった声も聞いたことがあります。この評点はどのように決まっているのでしょうか?

評点は、用紙1枚の「概要」と、詳しい内容が書かれた「信用調査報告」で確認できます。どちらを見るかで評点の捉え方も異なるのではないかと思います。

評点は「業歴」「資本構成」「規模」「損益」「資金現況」「経営者」「企業活力」という7つの調査項目に、加点と減点の2項目を加えた全9項目で判定しています。

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そのうち誰がつけても同じ点数になる項目が「業歴」「資本構成」「規模」「損益」「資金現況」の5つで、これらは客観的、定量的な項目です。残りの「経営者」と「企業活力」の2つが定性的な項目で、まずは調査員の主観をベースにつけることになっています。

これらのうち「業歴」は年数が経てば経つほどいい点がつくことになります。

また、資本構成に関しては、自己資本比率を見るなど、企業の財務の安定性を評価する観点で評価しています。ただメーカーと経営コンサルでは自己資本比率の平均値が異なるなど業種によって財務構造は異なりますので、だいたい1400ぐらいの業種に細分化をした上で、業界の平均を見ながら評価していくというイメージです。ここにゼロ点がつくと、債務超過を意味するので、一つの判断材料になると思います。

「規模」は、売上をもとに判断していて、上場しているかどうかも重要なポイントになりますね。

――「経営者」や「企業活力」の項目は定性的な評価になるとのことですが、調査員の経験や対面した感触から評価するということでしょうか?

代表者に付いては、報告書の8ページ目くらいに書かれているのですが、定性的な評価といっても、その中身は定量と定性に分けられています。業界や経営の経験年数といったポイントには裁量が入る余地がなく、自動的に点数が決まります。一方、「趣味」のように、点数で加点、減点しないものも含まれています。 

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――「加点」「減点」に付いては、それぞれ基準が決まっているのでしょうか。

もちろんガイドラインが社内で定められています。

すべての企業を100点満点で表現しきるのは困難なので、ABCDEでランクを付けた際に「これはちょっと企業の実態を表していないのではないか」という点が生じることもあります。そうしたときのために、加点や減点があるというイメージです。

ただ、減点に関しては、必ず減点しなければならない項目が規定されている場合もあるので、一概には言えません。

――例えば、どのような場合に加点や減点されるのでしょうか?