賃貸住宅経営で避けて通れないのが、家賃の滞納です。最悪の場合は、連絡がないままいなくなっているケースもあります。家賃の滞納や無断退去の被害に遭った時の対処法について考えてみます。

保証会社に入っているなら素早く連絡を

家賃滞納,そのまま退去,対策
(写真=sirtravelalot/Shutterstock.com)

入居者との契約手続き等を管理会社に委託している場合、契約時には家賃保証会社が提供する家賃保証サービスへの加入を必須としているケースが多いでしょう。家賃保証に入っているなら、心配する必要はありません。滞納が発生したら、家賃保証会社が督促業務や回収を代行してくれて、滞納している家賃を入居者に代わって立て替えてくれます。

またサービス内容によっては、入居者が原状回復せずに、もしくはその費用を払わずに退去した場合に、原状回復費用を立て替えてくれることもあります。

大切なのは、滞納が発生したらなるべく速やかに連絡をすることです。家賃保証会社によっては、「家賃対象月の○日までに連絡すること」などの条件を設けていることがあります。期日を過ぎた場合、保証が受けられなくなる可能性があるので、すぐに連絡するようにしましょう。

管理会社を通して粘り強く督促

問題は、家賃保証会社を利用していない場合です。連帯保証人だけの契約で、入居者が家賃を滞納してしまった場合、管理を委託している管理会社に督促してもらう必要があります。

具体的には、電話やメール、書面、訪問による督促です。なかなか支払ってもらえない場合には粘り強く何度も連絡して督促する必要があります。電話に出ない、訪問しても留守で連絡が取れないといった場合は、内容証明郵便を送付する方法もあります。当然ながら入居者だけでなく、連帯保証人にも連絡を入れます。

しかし管理会社も忙しいため、同じような滞納案件をいくつも抱えていると、すべてをカバーしきれません。1回か2回連絡しただけで、後は対応ができていないケースもあるようです。オーナーとしては、管理会社に任せたからといって安心するのではなく、状況を逐一連絡してもらうように依頼し、進捗を把握しておく必要があるでしょう。

簡単にできる「支払督促」「少額訴訟」、それでもダメなら裁判へ

3ヵ月以上滞納が続いたら、賃貸借契約の解除と明け渡しに向けて手続きを進めるべきでしょう。「民事訴訟」を起こす方法もありますが、時間もお金もかかります。そこで検討したいのが、「支払督促」や「少額訴訟」です。

支払督促手続きは、簡易裁判所を利用した督促の方法です。相手の住所地を管轄する簡易裁判所に対して申し立てを行います。書類審査のみで手続きが行われるのが特徴です。支払督促を受けた者は、2週間以内に異議の申し立てをしなければ、債権者の申し立てにより裁判所書記官は仮執行宣言を付すことになります。相手が異議申し立てをした場合には、民事訴訟に移行します。

手続きの費用は、30万円の督促でも郵便料金を含めて数千円で済みます。 支払督促の方法は、裁判所のホームページに記載されています。また、紛争の対象となっている金額にかかわりなく、金銭の支払いを求める場合に利用することができます。

少額訴訟も簡易裁判所における手続きの一つで、原則的に1回の審理で行われるため迅速です。60万円以下の金銭の支払いを求める場合に利用できます。費用も安く、30万円の訴訟なら同じく数千円で済みます。

支払督促や少額訴訟で相手方の債務が確定しても支払ってもらえない場合は、強制執行(差し押さえ、明け渡し)の手続きを進めます。これは地方裁判所で行います。実際には強制執行まで進めるにはノウハウが必要であり時間もかかるので、弁護士に依頼するケースがほとんどです。

滞納のまま無断で退去されてしまったら

やっかいなのが、入居者が家賃を払わないまま無断退去することです。無断退去したからといって、部屋に残った残置物を勝手に処分することはできません。処分した後に入居者がひょっこり現れて、残置物の所有権を主張すればトラブルに発展しかねません。

物の残置トラブルを防ぐには一時的に保管して、裁判所で残置物処分の手続きをする必要があります。いずれにしても費用と時間がかかり、心理的負担も大きくなります。入居者と賃貸借契約する際は、やはり家賃保証会社のサービスを利用するのがベストと言えるでしょう。(提供:オーナーズ倶楽部

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