株式市場では、長期にわたって連続増配している銘柄は珍しくありませんが、安定運用のイメージがあるREIT(不動産投資信託)の中にも、10期連続で増配している銘柄があります。分配金の仕組みとともに、その内容を見てみましょう。

高利回りが多いREIT

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(画像=eamesBot/Shutterstock.com)

REITとは、投資家から集めた資金を不動産に投資して収益を上げ、投資家に分配金として利益を還元する金融商品です。日本の国内法に則ったREITをJ-REITと呼ぶことがあります。株式と同じく東京証券取引所で売買でき、新聞の株式欄に価格も掲載されます。高額な不動産に小口資金で投資できることから、市場は拡大しています。

J-REITには高利回り銘柄が多く、2019年9月5日現在の利回り上位5銘柄は以下のとおりです。
1 いちごホテルリート投資法人 7.44%
2 エスコンジャパンリート投資法人 5.96%
3 タカラレーベン不動産投資法人 5.89%
4 マリモ地方創生リート投資法人 5.65%
5 投資法人みらい 5.47%

J-REIT全銘柄の平均利回りは3.60%で無配はゼロと、極めて優秀な運用成績です。

分配金配当の仕組み

なぜREITは高利回りを実現できるのでしょうか。その秘密は、分配金の仕組みにあります。

一般企業では利益が出れば法人税がかかりますが、J-REITでは利益の90%以上を分配すれば法人税が免除されます。内部留保するより分配したほうが有利なため、収益のほとんどを分配することになり、結果的に高利回りになるのです。

したがって、配当利回りを重視するなら、株式よりも有利と言えます。

星野リゾートは10期連続増配

数ある上場REITの中で、現在10期連続で増配中なのが「星野リゾート・リート投資法人」です。星野リゾートの決算は年2回なので、5年間にわたって分配金を増やし続けていることになります。上場して最初の決算で1口6,540円を分配して以来増え続け、直近の第12期(2019年4月期)では1口1万2,974円の配当を実施しています。第13期も1万3,110円へ増配が予想されており、上場時から現在までに、配当利回りが約2倍になっているのです。

もちろんこれは、星野リゾートの宿泊施設の運営が好調だからこそできることで、すべての銘柄が増配を続けられるわけではありませんが、このような「お宝銘柄」を探すのも投資の楽しみと言えるでしょう。

大都市圏に物件多いREITは今後も有望

REIT市場の今後の見通しはどうでしょうか。3大都市圏(東京、名古屋、大阪)の不動産は、長期的に見ても成長が見込めます。

2027年に東京-名古屋間で開業するリニア中央新幹線は、2037年には新大阪まで延伸され、完成すれば東京から大阪をわずか67分で結ぶ(品川-新大阪間)路線によって、世界でも類を見ない巨大商圏が誕生することになります。先行して名古屋圏の不動産価格が上昇し、現在は大阪圏の上昇が目立つようになりました。これら大都市圏に多くの物件を持つJ-REITは、今後も有望と考えていいでしょう。

現在、株式市場は米中貿易摩擦や日韓関係悪化などの地政学リスクで、悪材料が出るたびに急落するという不安定な動きを見せています。それによって外部要因に左右されない不動産が見直されており、それはREIT市場の値動きにもはっきりと表れています。東証REIT指数が2019年7月10日におよそ11年半ぶりの高値を付け、投資家が比較的安全なREITに資金をシフトさせていることを表しています。

金相場も年初と比較すると大きく値上がりしており、現物資産への資金シフトが顕著になってきました。REITは不動産という現物資産を証券化したものであり、分配金も出ることから、不動産と株式の「いいとこ取り」の投資商品と言えます。地政学リスクを抱える不安定な時代だけに、国内不動産に投資するJ-REITは今後ますます注目されることになるでしょう。 (提供:アセットONLINE


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