ワイドモートであればビジネスは永続し、ビジネスが永続するなら値上がりするだろう…だとすれば、ワイドモートであればその銘柄も値上がりする!と言う誤解に待ったをかける記事でした。

今回はそれに似た内容ではありますが、しばしば見かける「社会に必要な会社に投資をしておけば、その会社は倒産しない(その必要性から国や業界が倒産させるはずがない)ので間違いない!」と言う理論。

これに待ったをかけたいと思います。

提携
(画像=Getty Images)

社会に必要な会社とは?

そもそも社会に必要な会社とは何?と言うところから始まります。

冒頭から躓いてしまい申し訳ないのですが、私にはよくわからない定義です。

感覚的には社会インフラとなる公益企業や通信企業は無くなってしまうと困りそうですね。

他にも資本財でも鉄道輸送企業が無くなると物流に大きな影響が出ますし、航空機製造企業が無くなると人々の足に大きな影響を及ぼしそうですし、一般消費財の自動車製造企業が無くなっても同様です。

多くの企業がビジネスに利用しているIT関連の企業が無くなっても世界のビジネスが機能不全を起こしてしまいます。

こうして考えると、不要な企業を探す方が難しいかもしれませんね。

もっと厳密に見ていけば、「同業他社」と言うものが存在しない、あるいは存在していても、とある「社会に必要な会社」が倒産した場合に、その顧客を受け入れきれないような大企業(ビジネス)と言うことでしょうか。

逆にもっとフワッと考えると、他社に置き換えは不可能ではないけど倒産したら困る人が多い…程度のイメージでしょうか。

この辺りは人それぞれイメージするものが異なりそうなので、その時点で「社会に必要な会社に投資すれば安心」という理屈は危うい気がしますね。

社会に必要な会社でも安心はできない

「社会に必要な会社」の定義はあいまいで人それぞれかもしれませんが、仮にそこがハッキリしたとして、そこに投資しておけば本当に安心なのか。

答えはNoです。まず、当たり前のことですが「企業が無くなる」ことと「株価がゼロになる」はイコールではありません。

企業が存続し続けても、株が紙屑になることはあるのです。

例えば日本の企業でも、日本航空の例があります。

大きな航空会社ですから、無くなれば多くの人の生活に影響が出る「社会に必要な会社」だと思いますが、会社更生法を適用し、一度上場廃止となっています。

現在は再上場し企業も存続していますが、倒産前に保有していた株は紙屑となっています。

他にも事業自体は他社に引き継がれながらも会社自体が無くなるケースもあります。

例えば自動車部品のタカタは「自動車製造には欠かせず、(タカタの事業を)失うのは業界にとって厳しい」と言う考えもあったと思いますが、タカタ自体は破産してしまいました。

上場廃止にならなければ安心なのか?

そもそも、株式投資における「安心」とは何を指しているのか、ということも考えなければなりません。

確かに個別株投資において最悪のケースは保有銘柄の株価がゼロになる倒産(上場廃止)ですが、「安心できる」と思っている銘柄が大暴落しても果たして「この銘柄だから安心!」と穏やかでいられるだろうか、ということです。

米国の企業ではカルフォルニア州の電力会社、「PG&E(パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー)」も公益企業と言う「社会に必要な会社」ながら、破産を申請する自体に陥っており、株価もピーク時から大幅に下落しています。日本の東京電力も同様ですね。

まとめ

「社会に必要な企業(銘柄)に投資しておけば安心!」というのはやや考えが甘い、と言うことですね。

確かによくわからない企業より、大手企業や社会に必要そうな企業の方が確実なニーズがありそうなので投資しやすいかもしれません。

しかし、だからと言って倒産しないわけでもなければ、株価が下がらないわけでもなく、ましてその企業が将来ずっと「社会に必要な企業であり続ける」とは限らないわけです。

今は必要不可欠に思えても、パラダイムシフトにより必要性が薄れていく企業もあるかもしれません。

事業内容や社会における必要性は投資判断をする1つの材料にはなりますが、それだけで安易にストロングバイと判断するのは控えた方が良いでしょう。

どうしても倒産が不安であれば、個別株投資をしない、または少額に留めて、S&P500連動のインデックス投資を中心にするべきです。(提供: The Motley Fool Japan


記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。