海外のオフショア生保会社から販売されている投資型保険商品(オフショアファンド)には、たびたびミラーファンドという言葉が出てきます。

このミラーファンドとは一体どのようなものなのでしょうか。

そこで今回はミラーファンドについて詳しくご紹介していきます。

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(画像=Getty Images)

ミラーファンドとは?ダイレクトファンドとの違いから理解する

ミラーファンドについての話に入る前にダイレクトファンドを先にお伝えしたほうがわかりやすいかもしれません。

ダイレクトファンドとは、文字通り投資家から集めた資金をファンド運用会社がそのまま市場に直接投資して運用するファンドです。

ファンドのポートフォリオはファンド運用ポリシーに従って、ファンドマネージャーの裁量で決定していきます。

また、ファンダメンタル分析やテクニカル分析などを通じて得られた市場の見通しから、運用期間中に売却し、他の銘柄を購入していきます。

既存の投資対象を売却し、他の銘柄に乗り換えていくことをスイッチングと呼びますが、いずれもファンドマネージャーの経験と裁量からおこわれます。

これに対し、ミラーファンドとはオフショア生保会社が既に買い付けているファンドを通じて、特定のファンドのポートフォリオとそっくり同じになるようなファンドのコピーを作り、そのコピーしたファンドに投資することです。

ミラーとは英語の「鏡」という意味ですが、まさにベンチマークとなるような特定のファンドを鏡に映し、そのまま「生き写し」のようなファンドを形式的に組成して投資家に提供するものとなります。

従って、一番大きな違いについてはダイレクトファンドが投資家の資金を正真正銘そのまま直接市場に投資しているのに対し、ミラーファンドは生保会社が自前で保有しているファンドに投資するので、直接投資ではないということになります。

ミラーファンドのメリット~スイッチングにかかる日数が短い

ミラーファンドとダイレクトファンドの違いについてお伝えしましたが、次にミラーファンドのメリットをご紹介します。

ミラーファンドがダイレクトファンドに対してアドバンテージとなるのは、スイッチングにかかる日数が短いことです。

スイッチングとスイッチングにかかる日数が短いミラーファンド

スイッチングとは、投資しているファンドを売却して他のファンドに乗り換えることです。

このスイッチングに要する日数は、ダイレクトファンドがおよそ5営業日前後であるのに対してミラーファンドでは1営業日ほどで済みます。

ミラーファンドは仲介しているIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)にスイッチングしたい旨を伝え、仮にそのIFAがすぐにオフショア生保会社にそれを連絡して依頼するとその場でスイッチングしてくれます。

仮にIFAから生保会社への依頼が時差などの関係で翌営業日にずれ込んだとしても、依頼を受けたその日のうちに対応してくれることがほとんどですので、スイッチングは遅くとも1営業日前後で完了することになります。

スイッチングにかかる日数が短いメリット

スイッチングにかかる日数が短いとなぜメリットなのかといえば、投資チャンスを逃すリスクが減るからです。

例えば、あるファンドが何かの材料のために市場で売り浴びせられていて、絶好の投資タイミングを迎えているとします。

既存のファンドを売却してそのファンドになるべく早く乗り換えたいと考えた場合、スイッチングに要する日数は短いに越したことはありません。

反対に投資している既存のファンドが何か暴落を引き起こすようなネガティブな材料が出て、それまでの上昇を大きく打ち消しそうな勢いで下げ始めたとします。

その際より安全なソブリンファンドといった債券ファンドなどに逃げたいと考えた場合、スイッチングが早くできることはやはりメリットが大きいと言えるでしょう。

スイッチングにかかる日数が短い理由

何故ミラーファンドのほうがダイレクトファンドよりもスイッチングが早い理由ですが、これは自前で保有している生保会社のファンドに間接的に投資しているだけなので、投資を止めたことにすればいいだけだからです(生保会社はそのファンドを保有し続けます)。

一方のダイレクトファンドの場合、実際にスイッチングされるほうのファンドをマーケットで売却する必要があります。

すぐに売却できればいいのですが、ファンドによっては中々買いオーダーが入らずに約定しないことがあります。

常時売り買いのオーダーが殺到している大型株などに比べ、ファンドの種類にもよりますが、実際にマーケットで売却をこなすと同時に顧客の希望のファンド(スイッチングするほうのファンド)を購入してこなければならず、その分だけ時間がかかってしまいます。

ミラーファンドのデメリット~パフォーマンスがダイレクトファンドよりも劣る

ミラーファンドにはスイッチングにかかる日数が短いというメリットがありますが、デメリットもあります。

それはダイレクトファンドよりもパフォーマンスの面で劣るファンドがほとんどという点です。

その要因は主に2つあります。それは手数料の問題と現金保有率の高さによる投資効率の違いにあります。

まず、手数料についてはダイレクトファンドで発生するコストだけになりますが、ミラーファンドは保険会社が毎年徴収する保険商品に対する管理費用が別途発生します。

また、現金保有率については投資家からの償還請求に備えるための現金保有率がダイレクトファンドよりも高くなっているからです。

どちらが優れているのか?

結局のところダイレクトファンドとミラーファンドのどちらにすればいいのかという疑問が湧いたかもしれません。

しかし、いずれのファンドにも賛否両論があり、その優劣については投資家自身の投資条件などによって異なるといえるでしょう。

ただし、最初から指名買いのように投資したい特定のファンドが決まっているなら、ダイレクトファンドのメリットのほうが大きいでしょう。

ファンド投資は基本的に長期運用が基本であり、マーケットのタイミングを見計らって短期で売買する目的で投資している訳ではありません。

従って、スイッチングに要する日数が短いことよりもパフォーマンスが優れているほうが本来の投資目的に近いと言えるからです。

まとめ

ミラーファンドの意味や特徴について、ダイレクトファンドとの比較からお伝えしました。

ミラーファンドはダイレクトファンドのコピーファンドであり、スイッチングのタイミングが早いというメリットがあります。

一方でダイレクトファンドよりも手数料や現金保有率の高さなどからパフォーマンスが総じて劣る傾向があります。

それぞれの特徴についてよく理解してから選ぶようにしてみましょう。(提供: The Motley Fool Japan


記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。