米国株や海外のETFなどに投資している方なら「オフショアファンド」や「オフショア生保商品」という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。

オフショアあるいはタックスヘイブンとはご存じの方も多いようにケイマン諸島やマン島などに代表される租税回避地のことです。

かつては租税回避スキームのためにオフショアカンパニー(いわゆるペーパーカンパニー)を作っての節税対策が流行った時代がありました。

オフショアファンドは主にこのようなオフショアにある欧米系の大手生命保険会社やプロバイダーから提供される投資用プラットフォームのことです。

今回は元IFAであった筆者が、オフショアファンドの特徴や投資家にとってのメリット・デメリットについて6回にわたり、連載で徹底的にその詳細を紐解いていきます。

成長株
(画像=Getty Images)

オフショアファンドは手数料体系が複雑であったり、商品の仕組みといった実態がわかりづらい面が多々あるようです。

また、オフショアファンドというとなぜか大きな夢や希望を抱いてしまう方もいるようです。

オフショアファンドは決して夢の投資ツールではありません。かといって全く無用の長物かというとそうとも言い切れないでしょう。

この記事はオフショアファンド全般の特徴やどのような投資チャンスがあるのかについてお伝えすることが目的であり、推奨するものでもありません。

あくまで客観的にその実態について情報共有させていただきます。

タックスヘイブンとオフショア生保会社・プロバイダー

第一回目となる今回の記事では、タックスヘイブンとオフショア生保会社・プロバイダーについてお伝えしていきます。

オフショアファンドのプラットフォームを提供するオフショア生保会社やプロバイダーは、イギリス領のマン島やケイマン諸島などオフショアまたはタックスヘイブンと呼ばれる域内の金融当局で登録されています。

タックスヘイブンについてここで改めて説明すると、無税または低税率な税制優遇措置を取る租税回避地域のことです。

これらタックスヘイブンはイギリスの王室属領となっているものが多く、イギリスからは独立した自治権をもっています。

イギリス領ではなく、イギリス国王に属している地域であり、外交や防衛についてはイギリスに委ねていることからイギリス領と混同されることも多いエリアです。

例えば、淡路島ほどの大きさのマン島はマン島TTレースと呼ばれる世界一危険な公道レースで有名でもあります。

こういったタックスヘイブンには主要な産業がほとんどないために観光の他、オフショア金融センターとして税率を低くしたり、ほぼ無くすことで世界中から投資資金を呼びこむ政策を取っています。

そのためにイギリスに準ずる厳しい金融制度を持ち、低コストで透明性の高い金融サービスが提供されるように金融当局が管理しています。

世界中から多くの投資マネーが入りこみ、一流のファンドマネージャーによる金融サービスが展開されています。

タックスヘイブン域内で登録・営業しているオフショア生保会社はこの税制優遇措置の恩恵を受けながら、非常に低超コストで高度な金融サービスを提供することを狙いとしています。

従って、オフショア生保会社やプロバイダーでアカウントを持つ投資家は、全投資期間にわたって運用益に対する課税が免除されるため、その分だけより多くの複利効果が得られます。

イギリスでは古くから個人富裕層から一般のサラリーマン層まで、広くタックスヘイブンのオフショア生保会社から提供される商品を利用して個人用に老後のための自分年金や子供の教育資金を作るための資産運用などおこなっているのが一般的です。

低税率や非課税といったタックスヘイブンの制度を最大限に利用して資産運用をおこなうのが当たり前といった金融リテラシーがあるのがわかります。

尚、この記事を読まれている方の多くは日本国内居住者の方がほとんどでしょう。

様々な税務優遇措置を受けられるタックスヘイブンですが、日本国内居住者の場合には当然のことながら制約があります。

つまり、運用益についてはしっかりと課税されるということです。

このあたりについては次回以降のデメリットの箇所で詳細についてお伝えしていきます。(提供: The Motley Fool Japan


記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。