ホテル旅館の事業性評価
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1)問題の傾向と事業特性

ホテル旅館,事業性評価
(画像=ビジネス教育出版社)

ここでは、弊社が実際に再生支援に関わった旅館のうち、小規模の旅館(客室30室未満)18社の分析結果を使って解説します。

まず、結果指標の評価結果から小規模の旅館の傾向を見てみましょう。

当然ながら「借入」の評価が低い旅館の金融支援は大きくなる傾向にあります。しかし、他の分野では結果指標の評価結果と金融支援の程度に相関はなさそうです。つまり、小規模旅館の場合、過去の業績だけを見て何らかの金融支援をしているわけではないと考えられます。筆者の経験にかんがみると、小規模の旅館は経営基盤が脆弱なところが多く、金融機関にしてみれば単に経済合理性だけで判断することができないからだと思われます。経営には情と理があると言われますが、小規模旅館の場合は「どちらかというと情が判断を左右する」と考えられます。換言すれば、小規模旅館の方が、大中規模の旅館より事業の将来性を見据えるのは難しいと言えると思います。

特に老舗旅館として地域に根ざし、その温泉地のシンボル的な旅館である場合は、債権カットなど抜本的な金融支援をしてでも事業の継続を図ろうとする傾向が強いようです。また、昔から地域金融機関との関係性が良好で、金融機関としてもなんとか地域に残したいという動機が強く働く場合も抜本的な金融支援を実行することがあります。このように経済合理性とは別の要因で金融支援の大小が決まる点が、小規模旅館の特性と言えます。

一方、プロセス指標の評価結果の傾向ですが、小規模旅館の場合、プロセス指標の評価結果は総じて低くなる傾向にあります。特に「組織」と「経営管理」の分野の評価が低くなっていますが、それぞれどのような理由があるのか見ていきましょう。

2)「組織」の傾向