ホテル旅館の事業性評価
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1)問題の傾向と事業特性

ここでは、弊社が実際に再生支援に関わったホテルのうち、シティホテル及びリゾートホテル8 社の分析結果を使って解説します。

ホテル旅館,事業性評価
(画像=ビジネス教育出版社)

シティホテル・リゾートホテルの事業性評価結果から浮き彫りになるのは、設備投資の問題です。結果指標の評価結果では、「投資」の分野の評価が低いホテルほど金融支援が大きくなっています。また、プロセス指標の評価結果でも「施設」の分野の評価が低いホテルほど金融支援が大きくなっています。つまり、毎期2%程度の設備投資を実行することができず、かつ10年スパンの大規模な設備投資もできない状況にあるシティホテル・リゾートホテルが業績を悪化させていることが見て取れます。

具体的な傾向とその要因について、シティホテルから見ていきましょう。シティホテルは宿泊だけでなく、レストラン、宴会、婚礼、会議・研修、軽い打ち合わせなど、多種多様な目的で利用されるきわめてパブリック性の高いホテルです。しかも利用ニーズが日常使いから非日常使いまで多岐にわたるため、昼夜を問わず大勢の顧客が自由に出入りします。

問題は、時とともに顧客のニーズが変化し、しかも、そのスピードが以前と比べて格段に速くなっていることです。シティホテルはそのパブリック性の強さから、顧客の嗜好やニーズの変化に敏感に対応していかなければなりません。ホテルとしての基本機能を維持するための計画的な設備投資はもちろんですが、10年スパンの大規模な設備投資も必要不可欠と言えます。近年では10年でも遅いぐらいで、5年~10年未満で大規模な設備投資が必要になってきています。

リゾートホテルも同様です。リゾートホテルは非日常ですから特に、顧客の嗜好の変化や流行に対応していかなければ飽きられてしまいます。空調が効かない、水回りが老朽化しているなどはもってのほかとなります。せっかくリゾートに来て日常を忘れたいと思っているのに、基本機能が劣化していると日常に引き戻されます。やはり計画的な設備投資と5年~10年未満での大規模な設備投資は必要となります。

2)設備投資の傾向