一口に贈与といっても、住宅資金贈与、教育資金贈与などいくつかの種類がある。特に住宅資金と教育資金については家計にとっては大きな支援となる。内容について確認しておこう。

贈与税の基礎控除と配偶者控除

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(写真=Sunny studio/Shutterstock.com)

贈与税は、個人から年間110万円を超える財産をもらった場合、財産を得た人(受贈者)に対してかかる税金である。
贈与税は、1年間(1月1日から12月31日)に贈与を受けた財産を合計して、その金額から110万円を差し引いた残高に贈与税の税率を掛けて算出される。

ただし、すべての財産に贈与税がかかるわけではない。例えば、配偶者や父母、祖父母(直系尊属)、兄弟姉妹などが、生活費や教育費などの費用を負担しても、通常必要と認められるものについては贈与税はかからない。

20歳以上の人が父母、祖父母などから受ける贈与を「特例贈与」それ以外を「一般贈与」というが、誰から贈与を受けるかによって適用される贈与税率が異なる。

また、婚姻期間20年以上等、所定の条件を満たせば、配偶者から自宅等の贈与を受けた場合に、贈与税の課税価格から2,000万円を控除してもらえる制度もある(「配偶者から住宅(取得資金)の贈与を受けた場合の配偶者控除」)。基礎控除110万円と合計すると、贈与金額2,110万円まで贈与税がかからない(不動産を贈与する場合、不動産取得税、登録免許税等の費用はかかる)

教育資金、結婚・子育て資金の贈与の特例

教育資金や子育て資金は、親や祖父母から必要なときに援助を受ける場合、贈与税はそもそもかからない。ただ、まとまったお金を受け取る場合は贈与税がかかることになる。その場合、特例を使うと贈与税がかからなくて済む。なお以下の2つの特例制度は併用することができる。

【教育資金の一括贈与にかかる贈与税非課税制度の概要】
・贈与を受ける人:30歳未満の子、孫など
・贈与する人:祖父母、父母など
・子など1人につき1,500万円まで(塾や習い事などは500万円まで)
・2021年3月31日までの贈与
・金融機関を経由して税務署に申告する
・教育資金に使った領収書を金融機関に提出する

【結婚・子育て資金の一括贈与にかかる贈与税非課税制度の概要】
・贈与を受ける人:20歳以上50歳未満の子、孫
・贈与する人:祖父母、父母
・子・孫ごと1人につき1,000万円まで(結婚関係資金は300万円まで)
・2021年3月31日までの贈与
・金融機関を経由して税務署に申告する
・結婚・子育て資金に使った領収書を金融機関に提出する

住宅取得資金贈与の特例

父母や祖父母からマイホーム取得資金の贈与を受けたときは、一定の金額まで贈与税がかからない特例がある(「直系尊属からの住宅取得等資金の贈与税非課税制度」)。マイホーム取得の契約日や住宅の区分により特例の金額が異なる。
例えば、「省エネ・耐震・ バリアフリー住宅」の場合、期間によって次のように変わる。

・2019年4月〜2020年3月:3,000万円
・2020年4月〜2021年3月:1,500万円
・2021年4月〜2021年12月:1,200万円
※住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合

なお特例を受ける場合には、税額がゼロでも贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに贈与税の申告書を税務署に提出する必要がある。

【主な要件】
・20歳以上の子、孫など
・贈与を受けた年の所得が2,000万円以下
・家屋の床面積が50㎡以上240㎡以下
・贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、または、遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること

贈与税の申告と納付

1年間に贈与を受けた金額の合計額が110万円を超え税額が生じる場合、あるいは各種特例を利用した場合には、翌年2月1日から3月15日までに贈与税の申告が必要である。

他の特例としては、贈与税と相続税が一体化された「相続時精算課税制度」もある。この制度を利用すると贈与金額累計2,500万円までは贈与税はかからない。基礎控除額110万円の暦年課税との選択制であり、一度選択すると取り消しや変更はできないなど注意点も多い。特例も含め各種制度は要件が多数あるので、内容を十分に確認して利用してほしい。(提供:確定拠出年金スタートクラブ

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