ヘルスケアとITが融合した「ヘルステック」という分野を聞いたことはあるでしょうか。

ITが既存の産業を変革させる流れが近年相次いでいます。

例えば金融とITが融合した「フィンテック」という言葉をよく聞くのではないでしょうか。

他にも教育とITが融合して「エドテック」など、ITが既存の産業と融合して付加価値を次々に生み出しています。

ヘルステックも健康とITの分野を掛け合わせた新しい産業です。先進国を中心に世界的に健康志向が高まっています。

ヘルスケア
(画像=Getty Images)

例えばアメリカでは健康志向の高い人の間でヨガがブームになり、ヨガのウェアをつくっている「LuLu lemon」が人気になりました。

植物由来のタンパク質で健康志向の高い層に人気の代替肉企業の「ビヨンドミート」も投資家から注目されている銘柄です。

世界的にダイエットや予防医療など、健康に関連した投資テーマを挙げると数多く出てきます。健康は人が避けては通れないテーマです。

健康意識が高まる現代社会で、健康問題をITで解決するヘルステック企業は投資対象として買いなのでしょうか。

ヘルステック企業とは?

健康問題をIT技術で積極的に解消しようとする企業をヘルステック企業と言います。

実は日本人にも広く知られているIBMやGoogle、Amazon、AppleなどのIT企業もヘルステック分野に参入、投資をしているため広い意味ではヘルステック企業と言えるかもしれません。

またヘルステックに特化したスタートアップのベンチャー企業も米国では増えています。

IPOこそされていないものの、多くのヘルステックベンチャーが大きな資金調達をしており、注目を集めています。

例えばペトロン・インタラクティブ(PTON)は、エクササイズ機器をネットで繋いだ典型的なIoT(モノとインターネットの融合)の事例で、2019年秋に市場関係者から注目のIPO銘柄の一つとして注目されました。

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アメリカのRock Healthのデータを参照しても、デジタルヘルスケアの資金調達は全体的に右肩上がりの傾向です。

全体的にデジタルヘルスケアは活気のあるテーマと言えるでしょう。

ヘルステック銘柄のストーリーは買いか?

ヘルステック銘柄の成長ストーリーを支える柱は二つあります。

  • ヘルスケア産業のデジタル化は遅れている
  • 米国をはじめ世界全体で広がる健康志向・予防医療
  • ヘルスケア産業は実はデジタル化が遅れている産業です。

ヘルスケアのデジタル化指数はマッキンゼーの調査では22産業中19位。まだまだデジタル化の伸び代が残っています。

そして米国の医療費は3兆ドルと巨大なマーケット規模があります。

そこに世界的な健康ブームもあるため、ストーリー的には概ね明るい成長市場と言えるのではないでしょうか。

世界的にヘルステック市場が拡大中

ヘルステック市場は世界的に大きく拡大する見込みです。

ヘルスケアのIoMTの市場は年平均成長率が23.4%という調査報告も出ています。

ヘルステック市場は産業全体として拡大しており、しばらくは成長・拡大の傾向が続く展開になりそうです。

アメリカの大手IT企業がヘルスケア市場に投資

Amazonは医療品の販売事業、Googleも過去にGoogle Healthで医療分野に参入、Appleもヘルステックのスタートアップの買収に関心を持っているなど、既存の大手IT企業が医療・健康分野に積極的な投資を進めています。

ベンチャーだけではなく既存の巨大なIT企業にとってもヘルスケア市場は注目されており、今後様々なイノベーションが期待できます。

米国株で注目のヘルステック銘柄は?

米国株で注目のヘルステック銘柄は多々あります。

中にはかつてのIT関連企業のSlackやUberなどのように上場されていない銘柄もあるため、IPOまで待たなければいけないこともあります。

現時点で投資できる銘柄では、

  • ペトロン・インタラクティブ(PTON):運動器具とIT技術をかけ合わせたブランド
  • アボット・ラボトリーズ(ABT):遺伝子検査・血糖値自己測定など幅広く展開
  • リボンゴ・ヘルス(LVGO):糖尿病の管理デバイスを開発

などがヘルステック銘柄として注目されています。

またCrowd Med(病気診断サイト)など、ヘルステックには上場指定のない銘柄も多いため、今後のIPOや業界の動向にも注目しておくと良いでしょう。

ヘルステック企業の決算に注目して成長株投資

ヘルステック企業と一口に言っても、健康をテーマにITの力で問題解決をする以外は千差万別です。

大まかな流れとしてヘルステック企業には追い風は吹いていますが、最終的に個別株投資をする際にはビジネスモデルとストーリーだけではなく決算にも注目しましょう。

基本的にヘルステック企業でも新興のベンチャー企業の場合、成長株投資のアプローチの方が成功しやすいのではないでしょうか。

例えば、EPSや売上の成長率が年間・四半期ごとにしっかりと右肩上がりになっているかどうかを事業内容と合わせてしっかりと確認した方が投資の精度も高まります。

基本的には株価が右肩上がりの順張りで、決算も右肩上がりの銘柄を買うのがおすすめです。

その代わりヘルステックのテーマは市場からの期待も高いため、決算で市場期待にこたえられなければ大きく売られるものもあるかもしれません。

勢いよく飛び乗り、損切りもしっかりするタイプの投資家向けのテーマです。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事の作者、田守正彦は記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。