日本は経済的に成熟しており、高齢化社会となるため投資対象になりにくいです。

そのため、人口が大きく、潜在的な市場を抱えている発展途上国への投資が活発となっています。

モンゴルやインド、フィリピンなどアジアを中心とした投資に置いて、積極的にアピールしているのがネパールです。

行政機関に投資庁を設立し、国への投資を一括で管理しています。

今回は、ネパールへの投資がどうなっているのか、ネパールの現状と共に解説します。

南アルプス
(画像=Getty Images)

大国に隣接する将来性のある国家

ネパールは正式には「ネパール連邦民主共和国」と呼び、北方に中国チベット自治区、残った三方がインドに接しています。

世界で最も高いエベレストを含むヒマラヤ山脈が走り、観光業の柱として活躍。

もう一つの基幹産業が農業・林業で、特に日本の紙幣の原料はネパールから輸入しています。

主たる言語はネパール語ですが、多民族多言語国家でもあります。

ビジネスシーンでは英語が広く用いられているため、英語を理解できれば問題ありませんが、宗教制度や身分制度が厳格となっています。

ネパールの特徴を一言で表すなら、「急成長する国家に最も近い発展途上国」です。

急成長を続ける中国とインドに隣接し、どちらの国にも容易にアクセス可能。

ヒマラヤ山脈という価値の高い観光資源を擁し、豊富な水源を確保。

多言語国家のため、共通語として英語を習う傾向が強く、都市部では英語を使える働き手が多いのも魅力的なポイントです。

日本との関係が良好

ネパールと日本の関係は良好と呼べます。

日本はネパールに対して経済援助した額はイギリスに次いで2位となり、2013年から2018年にかけて日本が受け入れたネパール人留学生の数は8倍にまで達しました。

このように日本とネパールの関係は良好のため、近年ではネパールへの投資が国ぐるみで推し進められるようになったのです。

ネパールへの投資を呼びかけるネパール投資庁とは

ネパールの行政機構は日本と違い、内閣の各大臣を長とせず、首相や側近たちが総括しています。

つまり、首相に権限が集まるシステムとなっています。

現在のカドガ・プラサード・シャルマ・オリ首相は外国資本の企業を積極的に誘致する方針なのか、ネパールがビジネス的に魅力な場所であることを積極的にアピールしています。

その旗頭的存在が、ネパール投資庁になります。

ネパール投資庁は2018年11月と2019年3月に、それぞれ日本とネパールでネパール投資セミナーやネパール投資サミットを開催。

サミットには首相が出席するなど、ネパール側がどれだけ意欲的なのかを示す場面もありました。

ネパールへの企業投資が盛んな理由

ネパールは南アジア諸国の内、インド、プータンに次いで事業申請・設立が容易な国とされています。

ほぼすべての業種で外国人投資家による株式100%所有が認められており、利益や配当金を国外に送金するのも問題ありません。

つまり、日本人がネパールへ投資、あるいは事業を設立するハードルが低いのが盛んな理由となります。

また、中国やインドといった大国に近いというのも魅力的です。

実際にネパールで事業を設立した方は、ネパール国内のみならず、インド市場も視野に入れられるアクセスの良さを力説しています。

ネパールは近年、新憲法の下で総選挙を行い、社会政治情勢が安定しつつあるため、政治的なリスクの少ない国という見方もできます。

ネパール投資へのネック

一方でネパール投資へのネックも指摘されています。

1つは、外国人がネパールの企業に投資する際、指定された20の分野への投資は禁じられています。

その中には、外国人投資家にとって参入しやすい、不動産業が含まれているのは大きなマイナスポイントです。

もう1つが、ネパールへ海外直接投資をする場合に最低額が設定されている点です。

2000年代は100万円台だった最低額が、2017年には500万円に、2019年には約7000万円にまで引き上げられています。

流石に7000万円まで引き上げられてしまうと、投資がしやすいとは言えなくなります。

投資への最低額は政治や経済のバランスによって変動するため、下がる可能性もあります。

あるいは、さらに上昇する可能性もあるため、ネパール投資を考える投資家・企業に二の足を踏ませています。

個人投資家がネパール投資をするメリット

個人投資家が現時点でネパール投資をするメリットはあまり感じられません。

ネパールへの投資体制は1990年代から始まっていますが、政治や経済の関係で翻弄されており、2015年頃からようやく整いつつあるというのが現状です。

外国企業の誘致を募るというのは、自国の経済だけでは発展が難しいという裏返しと読み解くこともできます。

この段階を越えてネパールが発展していけば、個人投資家の介入する余地もあるでしょうが、現段階だと個人投資家が投資をするのは難しいです。

まとめ

以上が、ネパールへの投資に関する解説になります。

ネパールは個人投資家が投資先を探すよりも、インドや中国を視野に入れた企業の設立などに向いています。

ネパールを拠点に企業を設立してみようと考えている方は、在ネパール日本国大使館や日本商工会議所が窓口となっているので相談してみましょう。(提供: The Motley Fool Japan


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