米国株の魅力のひとつに高配当銘柄が充実していることを挙げる人も多いのではないでしょうか。

確かに米国株は日本株よりも高配当の銘柄が多く、高配当投資も注目されています。

しかし闇雲に配当利回りが高い銘柄を上から順に並べて買っても良いのでしょうか。

ネット証券でも情報サイトでも銘柄のスクリーニング機能が充実しており、配当利回りが高い銘柄を上から順に並べることはできます。

しかし高すぎる配当や金利は投資の世界では何かあるのでは?と疑う癖をつけることが大切です。

新興国の中には銀行の金利が7%〜8%という国もあります。

しかし見かけの金利の高さだけで飛びつくと、後からインフレも酷かったりリスクが高い通貨だったりと問題に気づくのです。

株の配当率も単に高いだけの銘柄は注意が必要です。

高配当銘柄を選ぶ基準をご紹介します。

成長株
(画像=Getty Images)

配当率が高い銘柄を単純にスクリーニングするのは危ない

配当利回りランキングで個別株を上から順に並べてみると、日本株でも利回り9%以上の銘柄は存在します。

米国株の高配当銘柄の優等生と言われるコカ・コーラでも、直近の配当利回りは3%に届くかどうかです。

日本株でも米国株よりも高配当な銘柄はたくさんあるのに何故、米国株で高配当投資を好む投資家が多いのでしょうか。

実は単に配当利回りが高いだけの銘柄には何かしら問題があることが多いのです。

株価が下がると見かけ上の配当利回りは上がる

株価が下がると見かけ上の配当利回りが上がります。

配当利回りの計算式は「年間配当金÷現在の株価」で求められます。

例えば現在の株価が100USD、配当金が年5USDだったとすると、5÷100で配当利回りは5%です。

しかし何らかの事情で株価が暴落して半値になり、株価が50USDなったとします。

すると5÷50で配当利回りが10%になります。

配当利回りの計算式では株価が下がると利回りは数字上、高く出るのです。

しかし暴落して半値になるような銘柄は何か問題を抱えている可能性が高いため、なぜ株価が下がっているのかを確かめてから買うべきです。

直近、業績の下方修正や悪材料が出ている可能性

株価が下がると見かけ上の配当利回りは上昇します。

しかし注目するべき部分は配当利回りではなく、株価が下がっている理由です。

株価が下がる理由は様々です。

単純に市場から資金が抜けているだけで下げているケースもあれば、業績の下方修正や悪材料などで下げている可能性もあります。

配当利回りの高い銘柄を上から集めて調べてみると、何かしら問題を抱えている銘柄が上位にきていることが多いため注意が必要です。

業績悪化で配当を維持できるのか?

株価を下げた理由が業績悪化だった場合、そもそも配当金を維持できないかもしれません。

業績不振で配当を出す体力も残っていないとなると、会社存続のために減配する可能性もあります。

業績悪化のまま経営不振が続く企業も多く、一時的に配当利回りが高くても、投資するべきでない銘柄も多いのです。

米国株の高配当銘柄選びの条件

見かけの配当利回りだけで銘柄を選ぶと失敗します。

しかし、米国には安定した配当利回りを維持しながら成長している企業もたくさんあります。

そして米国株の高配当銘柄を選ぶのは、それほど難しいことではありません。

むしろ新興の名前も聞きなれない中小型の成長株よりも、日本人に馴染みの深い企業に優良な高配当銘柄は多いのです。

安定した収益を継続して上げ続けている

安定した収益を継続して上げ続けているかどうかを確認しましょう。

収益が出ていないという理由で市場から見捨てられた銘柄を買うべきではありません。

大切なのは過去の配当利回りよりも未来の配当利回りです。

業績が伸びていなければ企業は配当金を増やすことができません。

業界を代表する有名企業を選ぶ

米国株の高配当銘柄を選ぶときは、聞いたことがない銘柄やマイナーな銘柄を選ぶよりも、日本人でも聞いたことがある業界をリードする有名企業に投資をした方が失敗は少ないでしょう。

例えばコカ・コーラ(KO)は日本でもお馴染みの飲料メーカーですが、高配当銘柄の代表格のひとつとして有名で、57年連続で増配を続けており、安定した利益を出し続けている大企業です。

ダウの犬投資法は高配当銘柄をうまく選べる

有名な高配当投資戦略に「ダウの犬投資法」があります。

ダウの犬投資法は、ダウ工業株30種平均指数に採用されている銘柄のうち、配当利回りの高いものを上から順に5銘柄〜10銘柄ほど買ってポートフォリオを組み、年に1回、更新する投資法です。

ダウ工業株30種平均指数に採用されている国際的な優良企業のみに絞っているところが、この投資法のポイントです。

IBMやNIKE、P &G、コカ・コーラ、マクドナルドなど日本人にもお馴染みの銘柄でダウ工業株30は構成されています。

ダウ工業株30に選ばれているような国際的な優良企業は、一時的に株価が落ちても十分、挽回できるだけの実力と体力を兼ね備えています。

ダウに選ばれているというフィルタリングをかけることで、質の悪い銘柄が選択肢に入れないようになっています。

VYMや楽天・米国株高配当株式インデックスは配当重視ならベターな選択肢

日本からでも気軽に高配当銘柄の米国株ポートフォリオに投資できるETFにVYMがあります。

VYMは「バンガード・ハイディビデンド・イールドETF」のことで、平均以上の配当を出す普通株で構成されるFTSEハイディビデンド・イールド指数に連動する投資成果を目標にしています。

VYMは簡単に言えば高配当な米国株銘柄をパッケージ化したETFで、自分で銘柄を入れ替える必要がないため、利益確定による課税の心配をしなくても良いのが強みです。

また配当金は再投資に充てたいという方なら楽天・米国株高配当株式インデックスもおすすめです。

配当金の再投資をすることができるため余計なスイッチングコストが発生しません。

VYMも楽天・米国株高配当株式インデックスもスイッチングコストをかけずに高配当のポートフォリオを丸ごと買えてしまうので、高配当銘柄に投資をしたい日本人と相性が良いのではないでしょうか。

まとめ

表面的な配当利回りだけで投資する銘柄を選ぶべきではありません。

株価が下がると配当利回りは一見、高くなるからです。

そのため配当利回りが高いだけの銘柄を順に並べると、業績が悪化していたり悪材料が出た銘柄ばかりになってしまうことも珍しくありません。

高配当銘柄を選ぶなら安定して業績を伸ばしていること、業界を代表する有名企業であることも銘柄選定の際に考慮するべきです。

高配当投資として代表的なダウの犬投資法はおすすめの投資法のひとつです。

しかし銘柄入れ替えのスイッチングコストを考慮するとVYMや楽天・米国株高配当株式インデックスなどの高配当銘柄を集めたETF・投資信託もおすすめです。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事の作者、田守正彦は記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。