投資信託のなかには定期的に分配金が受け取れる商品があります。分配金には普通分配金と特別分配金の2種類がありますが、どのような違いがあるのでしょうか?

特別分配金は自分のお金が返ってくるだけ

投資信託,特別分配,普通分配
(写真=wrangler/Shutterstock.com)

普通分配金は、投資信託が組み入れている株式や債券などの運用によって得た収益について、一部またはすべてを投資家に支払うものです。株式の配当金と同様で、「運用成果としてもらえるお金」のイメージです。普通分配金は課税対象となります。

一方で、特別分配金は元本の一部を取り崩して支払う分配金です。特別分配金は課税対象ではありませんが、そもそも自分が預けたお金が戻ってくるだけなので、当然といえます。特別分配金は「元本払戻金」とも呼ばれ、こちらのほうが実態と合っている呼び方とも考えられるでしょう。

普通分配金か特別分配金かは、販売会社や証券会社などから交付される報告書に記載されています。

特別分配金にメリットはある?

投資信託のなかには毎月分配型が一時多く発売され、人気となった時期がありました。そして毎月分配型の分配金は普通分配金ではなく、特別分配金が中心でした。ただ、この特別分配金については性格をよく理解しないまま購入する高齢者がいるとして報道されることも増え、近年はかつてほどの人気はなくなりました。

ただ一方で、毎月お小遣い感覚で定収入を得られることは、たとえ元本を切り崩していたとしても、投資感覚を実感するという意味ではメリットもあります。低金利が続いて将来大きな収入の見込みのない高齢者にとっては、年金の足しにするという目的でも、それはそれでひとつの魅力があったのかもしれません。

またちょっと強引な考え方ですが、特別分配金の受け取りにより運用する元本が減れば、たまたま下落局面が続くような相場では「投資をしないほうが損失は少ない」のは事実です。結果的に資産を守ることができるという効果もあります。

普通分配金も特別分配金も受け取ると複利効果が薄れる

一方で、デメリットもあります。運用資産の時価評価額である基準価額は、分配金の実施が行われると、その分下がります。これは特別分配金ではなく普通分配金にも共通しますが、分配金を受け取ることは、運用に回るはずだったお金がその分減ることを意味します。

投資で得られた利益を再投資して元本に組み入れられると、複利効果が期待できます。逆に運用元本から外れてお金を受け取ると、再投資をしない限りどんどん複利効果のチャンスは遠のいてしまいます。

例えば100万円を年率4%で20年間運用した場合、単利では利益が80万円なのに対して、複利では約119万円の利益が得られます。投資信託は銀行預金のような完全な複利ではなく、複利効果の運用期待であるために実際の数値とは異なりますが、中長期投資では複利効果の働きは無視できません。分配金を頻繁に受け取れる投資信託の場合でも再投資すれば良いのですが、普通分配金は税金面では分配金を一度受け取った扱いとなるため、課税対象となります。

分配金利回りを鵜呑みにはしない

毎月分配型の投資信託は収益が出ていなくても支払われるため、分配金利回りは高くなる傾向があります。例えば「分配金利回りランキング」などをみると、ほとんどが毎月分配型の投資信託です。

ただ、これらのほとんどが特別分配金で、受け取り額以上に預けている運用元本が目減りしていれば元も子もありません。分配金利回りだけをみるのではなく、これまで純資産総額が減少し続けていないか(売却する人が増えて資金流出がないか)、基準価額の推移はどうなっているのかなどとあわせて、あくまで参考程度にみておきましょう。(提供:ANA Financial Journal

【おすすめ記事 ANA Financial Journal】
年収1,000万の生活は思ったより地味?年収2,000万円の壁とは
https://financialjournal.ana.co.jp/lifestyle/detail/id=1832?utm_source=zuuonline&utm_medium=referrer&utm_campaign=kijishita target="_blank">50代男性が始めておきたい、素敵な休日を過ごすための趣味5選
独身・年収1,000万円、資産もそこそこ。「お金の悩みは無い」人が考えるべきこと
貯まったマイルでできること。非日常を体験するANAマイルの使い方
スキル3つで新しい価値を創造!100万分の1の人材になる方法