米中貿易戦争や韓国との対立、年金2000万円問題など国内外の経済が不安定な状況が続いています。

将来の経済がどうなっているのか不安なため、投資をするにしても不安が付きまとってしまいます。

そこで注目されるのが安全資産です。

安全資産は景気の動向に左右されにくく、資産を目減りさせない資産となります。

日本円
(画像=Getty Images)

安全資産とは

安全資産は広義の意味だと、預貯金や国債などの、保有していれば将来的に収益が確定されている可能性が高い資産を指します。

銀行にお金を預ければ利子が、日本国債を購入すれば一定期間後に元本と一緒に利子が付いて戻ってくるため、これらを安全資産と呼びます。

投資の世界での安全資産は、相場が変動しても元本が目減りするリスクが少ない投資対象の事を指します。

たとえば、世界同時恐慌が起きれば世界中の株式が同時に下落します。

その中で、利益は上げにくくても、値崩れしにくい資産を保有していれば、下落相場であっても資産を減らせずに保有できるという訳です。

基本的に安全資産は格付けの高い先進国の国債を指しますが、時々の状況によって変化します。

安全資産の代表例

ここでは広義の意味の安全資産と、投資の世界での安全資産の両方を紹介します。

現金

皆さんの財布に入っている硬貨や紙幣は安全資産の代表格となります。

1,000円の価値は1,000円のままで、10,000円の価値は10,000円のまま変わりません。

ただし、インフレが進み世の中の物価が上がってしまえば、現金の価値は相対的に下がっていきます。

現金は安全資産の代表格ですが、現金のまま保有していても増えないということを覚えておきましょう。

定期預金・普通預金

金融機関に現金を預ける定期預金・普通預金も安全資産となります。

元本が保全される可能性が高く、満期となれば利子が付きます。

普通預金も時期が来れば利子が付くため、資産を現金のまま保有しているよりはお得といえます。

国債

国債は、国が発行する債券の事です。

債券は満期まで保有していれば元本が返却され、購入時に定めた利子が貰えます。

基本的に、元本割れが起きない投資商品のため、安全資産の1つに含まれます。

社債

社債は、企業が発行する債券の事です。

国債同様、満期まで保有していれば元本が返却され、購入時に定めた利子が貰えます。

ただし、国債よりもリスクは高く、安全資産でありながらもリスク資産でもあります。

年金・保険

元本保証がされている年金や保険も安全資産と見なされます。

特に国民年金は国が保障しているため、安全の高い安全資産となります。

金は安全資産であると同時にリスク資産という一面もあります。

国内の5年間の相場を調べると、2014年1月時点だとグラムあたり4,204円だったのが、2019年10月時点では5732円まで上昇しています。

一見すると順調に資産を増やしている優良な投資対象に見えますが、ここから金が5年前の相場まで下がってしまう可能性は十分あります。

実際、5年間の相場で2014年の相場を下回った瞬間が2015年にはありました。

金は世の中の景気が不安定な時に、資産を保有しておく形として人気を集めやすいで対象です。

そのため、世の中の景気が安定すると、今度は金の価格が下がる傾向があります。

安全資産の危険性

上記で説明した安全資産の代表例は、金を除けば元本割れを起こさず、購入・保有した時点の価値を減らさないという点で一致しています。

ですが、価値は減らなくても、相対的に下がる場合や元本割れを起こしてしまう危険性はあります。

たとえば、現金や定期預金・普通預金は、将来の市場経済によってお金の価値が変わる可能性があります。

いま、パンを購入するのに100円必要だったとして、10年後には200円必要になるかもしれません。

資産を現金や定期預金・普通預金で保有していた場合、パンの価値は2倍に上がったのに、資産は増えていないため、相対的に見れば資産の価値が半分に下がってしまったことになります。

社債や国債、保険は元本保障のされている投資対象ですが、元本保証されているのは満期を迎えた場合になります。

満期前に債券や保険を売却・解約すれば元本割れを起こしてしまいます。

年金の場合は、将来貰えるお金が国の経済成長率によって左右されます。

2019年時点で年金を受給されている方は、現役世代の手取り収入の61%以上を貰えていますが、2040年だと53%、2060年度だと50.8%まで下落すると予想されます。

2060年度に年金が受給されるのは、現時点で24歳の方になります。

最悪なのは経済成長が下降した場合、国民年金の積立金が無くなるのではないかという試算もあります。

つまり、現在の年金システムは安全資産と呼べるような物ではありません。

円が安全資産と呼ばれている理由

ここまで、安全資産の解説において基本となる通貨を円としてきました。

これは読者が日本人であるということを想定してだけでなく、日本円が世界的に見て安全資産の代表例であるという事実も理由となります。

なぜなら、日本は約30年近く世界最大の対外債権国を維持しています。

債券を大量に持っているということは、いざという時に売れる外貨を大量に持っているお金持ちの国という見方ができます。

そのため、日本円は値崩れしにくいだろうと周辺国家は考え、日本円は不動の地位を築いてきました。

日本人は資産を何で保有するべきか

残念ながら、日本人なら資産をこれで保有するべきだ、と一概には言えません。

個人によって年齢や扶養家族、職業、ライフスタイルなどが違うため、一緒くたには扱えません。

ただ、大きく分別すれば3種類に分けることができます。

まず、現時点で仕事をリタイアして年金が支給されるようになった世代は、下手に資産を動かさない方が良いでしょう。

年金をしっかりと支払い、貯蓄もしてあるなら、資産を別の資産に変えず、社会保障を活用して老後を過ごすべきです。

ある程度年齢を重ね、子供が独立して老後を意識し始めた世代は年金と貯蓄を把握しましょう。

毎月いくらの年金が受給され、予想される支出に対してどれだけの不足を貯蓄で補えるのかを計算しておくと老後の備えに対して意識が向きます。

もし、貯蓄が少なくて資産もそれほど持っていないのなら、日本を離れるのも選択肢に入れてみましょう。

この先、日本の物価が上がるペースに収入や資産が付いて行けない可能性があります。

そうなる前に、日本円を持って外国に移り住むのも悪くない手になります。

新社会人から現役世代は、安全資産を保有するよりも資産を増やす方を意識しましょう。

この先、日本の経済成長はオリンピックを境に停滞、あるいは失速する場合があります。

日本国内でお金を稼いでいても、価値が下がってしまい老後どころか、生活を維持するのも難しくなるかもしれません。

自分の資産状況を把握して、余裕資金で投資を始めてみましょう。(提供: The Motley Fool Japan


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