モトリーフール米国本社、2019年11月24日投稿記事より

IBM(NYSE:IBM)は、創業108年の大半の期間で、成長、イノベーション、株価上昇を謳歌してきました。しかし、2014年以降、株価は低迷を続けています。

今後、クラウドベースのソフトウェア大手レッドハットの買収効果が、IBMの業績や株価を押し上げる可能性を指摘する向きがあります。

IBM
(画像=Getty Images)

クラウドコンピューティング技術台頭への対応遅れる

IBM株の最近の問題は、クラウドコンピューティング技術台頭への対応の遅れです。

IBMもクラウド技術を開発していましたが、2018年第4四半期時点のクラウドインフラの市場シェアは3.6%と低迷しています。

これに対し、アマゾンのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)やマイクロソフトのAzureの市場シェアはそれぞれ32.3%、16.5%です。

IBMの既存事業の低迷で利益減少が続いています。

それでも、戦略的な重点分野のクラウド、サイバーセキュリティー、人工知能(AI)などの売上が伸びてきており、全売上高の半分強を占めるまでになっています。

レッドハット買収で次の成長ステージ構築

そしてIBMは今年、1兆2000億ドルに及ぶクラウド市場に礎を築くため、世界最大のオープンソースソリューション企業のレッドハットを340億ドルで買収しました。

レッドハットは、一般ユーザーが変更可能なOS(オペレーティングシステム)のLinuxをサポートしています。

買収の成功を判断するには時期尚早ですが、直近四半期決算ではIBMの売上に大きく貢献しています。

IBMは、クラウド製品やサービスを拡大する上で強い立場にあります。

同社はフォーチュン500企業の95%と取引しており、世界の事業関連データの大半を扱っています。

レッドハット買収の効果が上がれば、IBMはデジタル技術高度化の次のステージで恩恵を大きく受けられる可能性があります。

IBMの株価は予想PER(株価収益率)約10倍で取引されており、このことは市場が同社の成長を期待していないことの表れです。

収益面で何らかのプラス要因が浮上すれば、バリュエーションは直ちに上昇するとみられます。

株価上昇を予想することは出来ませんが、投資家は当面は約5%の配当利回りおよび今後の増配に期待できるでしょう。

IBMは、24年連続で増配してきました。

モルガンスタンレーの予想によれば、レッドハットのシナジー効果が十分にあがった場合、IBMの株価は40%増の197ドルに達するとみられます。

IBMは現在は人気がない優良株ですが、今後予想外にポジティブな展開となる可能性を秘めています。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。元記事の筆者Greg Jonesは、IBM株を保有しています。モトリーフール米国本社は、IBM株をショートしており、さらにIBM株に関するオプションを保有しています(2020年1月の200ドルのショート・プット、2020年1月の155ドルのショート・コール、2020年1月の200ドルのロング・コール)