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信用保証協会(以下、保証協会)が信用保証を行った融資をマル保融資といいます。マル保融資では、債務者が一定期間の延滞や返済不能となった場合に、保証協会が債務者に代わって残債務および利息の一部を弁済します。これを代位弁済といいます。

マル保融資には代位弁済があるとはいえ、金融機関は期中管理を怠ってはいけません。マル保融資でも、プロパー融資と同じくらい厳格に管理することが求められます。具体的には、以下のようなことを実施することになります。

・融資金の資金使途管理
・返済財源の管理
・担保物件の管理
・債務者や連帯保証人の所在管理
・試算表の受付やヒアリング等による業況管理
・延滞発生時の督促管理

債権が劣化するような事象が懸念される場合には、未然防止や改善に必要な措置を講じるとともに、遅怠なく保証協会へ報告しなければなりません。

報告する場合は保証協会の担当者と協議のうえ指示に従いますが、一般的には文書による報告を求められます。

業況報告書により定期的に報告を行う

信用保証制度の中には、セーフティネット保証という制度があります。中小企業信用保険法により取引先企業の倒産や災害、取引金融機関の破綻、大規模な経済危機等により、経営の安定に支障を生じている中小企業者について通常の保証枠とは別枠を設ける制度です。

中でも、セーフティネット保証5号は、期中支援が求められることから、マル保融資実行後に保証協会と金融機関が連携します。対象となるのは例えば指定業種に属する事業を行っており、最近3ヵ月間の売上高等が前年同期比5%以上減少している中小企業です。このような中小企業には、資金繰り支援だけでは十分とはいえず、モニタリングを通じて業況改善支援も必要とされています。

このため、金融機関は業況報告書(サンプル)により、保証協会に宛てて、定期的に報告を行います(この措置は平成23年6月1日から平成30年3月31日までの保証申込受付分について適用される)。具体的には、以下の要領で実施します。

・個別の保証金額が1250万円超で、保証期間が1年超の場合、保証協会から報告対象リストで指定される
・原則として所定の業況報告書を使用する
・原則として訪問によるモニタリングを行う(来店や電話、メールによる接触は訪問回数に含めない)
・報告書は上半期(4~9月)分を10~11月末、下半期(10~3月)分を4~5月末に提出する
・保証の対象となる融資が完済するまで報告する

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保証協会に報告するだけでは業況が悪化している中小企業を支援するという制度の目的が達せられません。重要なのはヒアリングを通じて取引先の経営課題に気付き、業況改善に資するアドバイスを行うことです。

執筆◎金融アドバイザー 京野公平