モトリーフール米国本社、2019年11月25日投稿記事より

米国では1980〜90年代に、トレンドを追う若者はカジュアル衣料のギャップ(NYSE:GPS)で買い物していました。

しかし、今はH&M(OTC:HNNMY)やインディテックス(OTC:IDEXY)の「ザラ(Zara)」など、安価でスタイリッシュな競合が伸びています。

そしてオンラインショッピングが増えるつれ、ギャップが入っていたモールが次々と閉鎖されています。

カジュアル衣料
(画像=Getty Images)

アメリカンスタイルを独占していたギャップは衰退しつつあり、ファッションの方向や増収策に苦闘しています。

今月初めには、CEOのアート・ペックが突然の退任を発表しました。

後任を探す間、創設者一族の1人であるロバート・J・フィッシャーが引き継ぐことになりました。

ペックは、CEOを務めた4年間でギャップの売上高とイメージを回復させられませんでした。

先週、ギャップが発表した第3四半期(8~10月)決算によれば、既存店売上高は前年同期比4%減となりました(前年同期は横ばい)。

かつてギャップのブランドポートフォリオの牽引役だった「オールドネイビー」の売上は4%減でした(前年同期は4%増)。

しかし、決算は、アナリストが最近引き下げた収益予想を上回ったため、株価は4.4%増となりました。

ブランド力の低下

ギャップが流行の最先端だったとき、買い物客はギャップブランドのラベルとロゴが付いた服を着るために喜んでお金を払っていました。

しかし、近年は他のブランドが同様の商品を低価格で提供しているため、若い買い物客を獲得するのに苦労しています。

H&Mはオンラインで女性物のレギュラーフィットジーンズを40ドルで販売していますが、ギャップのクラシックストレートジーンズは約80ドルです。

また、ギャップは多くの米ショッピングモールの閉鎖に伴い閉店を余儀なくされています。

クレディ・スイスのアナリストは2017年のレポートで、2022年までにモールの20〜25%が閉鎖されると予想していました。

他の多くの小売企業と同様、ギャップもオンライン販売に転換しつつあります。

2月の決算発表で経営陣は、今後2年間にわたって「ギャップ」ブランドの230店を閉店し、売上高の40%がオンライン販売になると述べました。

新しいCEOがギャップの価格設定とイメージを改善することができれば、オンライン販売の今後は明るくなるかもしれません。

オールドネイビーのスピンオフ計画

今年はオールドネイビーの売上が今一つでしたが、ギャップはオールドネイビーのスピンオフを計画しています。

モーニングスターのアナリストのデイビット・シュワルツは、ギャップがスピンオフに関する強力な収益改善論拠を示していないと主張し、スピンオフ計画によるギャップ事業全体へのマイナス効果は計10億ドルに達する可能性があると指摘しました。

ギャップの株価とバリュエーションは、現在の同社の苦境を反映しています。

株価はPER(株価収益率)7.9倍と割安で、年初来では36%下落しており、数字だけ見ると魅力的に見えます。

確かにCEO退任は経営の方向転換のチャンスですが、将来の利益に期待して株を買うには、依然としてリスクが高いでしょう。

ギャップは競合の増加とショッピングモールの来客数減少に直面しており、新しいCEOの手腕が非常に重要になります。

ブランドを復活させ売上高を伸ばせるリーダーであるか判断できるまでは、ギャップ株に関しては様子見の姿勢でいる投資家が多そうです。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Adria Ciminoは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、記事で言及されている株式を保有していません。