モトリーフール米国本社、2019年11月28日投稿記事より

2019年初め、マリファナ株投資が最もホットなテーマでした。

調査機関のArcview Market ResearchおよびBDS Analyticsによれば、合法マリファナ(大麻)の世界販売額が2014年から2018年の間に3倍以上の109億ドル(約1兆2000億円)に達していたので、無理もありませんでした。

しかし、マリファナ銘柄がそれぞれ70%上昇した今年第1四半期の後、マリファナ株バブルは崩壊しました。

第2四半期以降、大半のマリファナ株の株価は、半分以下に下落しています。

大幅な株価下落で一部の投資家は買い場と考えているかもしれませんが、2020年のマリファナ株投資は引き続きリスクが高いと考えられます。以下でその理由を説明します。

マリファナ
(画像=Getty Images)

1.大幅に遅れるカナダ保健省のマリファナ関連認可

カナダ保健省の、マリファナ栽培、加工、販売ライセンス等に関する認可プロセスが大幅に遅れています。

2019年初めの時点で、800以上のライセンス申請が同省の審査待ちになっていました。

実際、カナダの製薬企業アフィリア(NYSE:APHA)が申請したマリファナ栽培ライセンスは認可に18カ月以上かかりました。

カナダでのマリファナ栽培および販売の認可の遅滞は、2020年も続くとみられます。

2.州政府による販売店認可も進まず

仮にマリファナ関連企業に対するマリファナの栽培および販売認可が下りたとしても、合法的な販売店があるとは限りません。

人口1450万人でカナダ最大の州であるオンタリオでは、娯楽用マリファナ販売が合法化されて1年経ちますが、合法的店舗は24しかありません。

今後についても、すぐに販売店が急増する可能性は少ないとみられます。

3.米国での各種課税が大きな壁に

米国では、マリファナに対する高い税率が大きな問題になっています。

合法的マリファナ売上高では世界最大のカリフォルニア州は、日中のマリファナ利用に課税しています。

消費者は既に高い州税、市町村税に加えて、15%の物品税や栽培税を払う必要があります。

さらに、同州は、1月1日にマリファナ税の税率を引き上げる予定です。

4.合法的マリファナと非合法的マリファナで大きく異なる価格

依然として非合法のマリファナ市場が活況で、合法的マリファナ市場は立ち上げに苦しんでいます。

非合法マリファナ栽培者には栽培および販売ライセンスは関係なく、税金も全く払っていません。

この結果、合法マリファナ企業はブラック市場の価格に対抗することは不可能です。

カナダ統計局によれば、非合法マリファナの価格は合法マリファナ価格より45%も低い水準です。

5.「ベープ」問題がマリファナ派生商品売上を圧迫する可能性

北米では、マリファナの派生商品(添加食品)売上が大きく伸びると予想されていますが、液体を加熱して蒸気を吸う電子たばこのベープ(Vape)に関する健康への悪影響が大きく響く可能性があります。

米国では11月20日時点でベープ関連の肺疾患が2290件報告されており、うち47人の死者が出ています。

米国では、マリファナ関連物質をベープで使わないように推奨しており、これがカナダでの派生商品販売開始の支障となるかもしれません。

6.海外市場では販売望めず

カナダのマリファナ関連企業の問題は、海外市場の欠如です。

カナダ国内のサプライチェーンが混乱しているため、国内需要を満たすのに精一杯で、海外市場に対応できません。

これは特に、オーロラ・カンナビス(NYSE:ACB)やキャノピー・グロース(NYSE:CGC)といった、カナダ以外に大きなプレゼンスがある企業にとっては痛手です。

7.まだ投資フェーズにあり、現金燃焼続く

2019年にマリファナ銘柄は、多くのキャッシュを失いつつあり、状況はすぐに改善される見込みはありません。

直近四半期では、アフィリアは利益をあげていますが、これはバイオ関連資産の時価評価調整の下支えによるものです。

一時的項目や時価評価調整などを除くと、マリファナ株はキャッシュを失っている状況です。

8.のれん問題が時限爆弾に

マリファナ株はバランスシートに問題を抱えています。

特にのれん(買収企業の買収額と実物資産の差額、いわゆるプレミアム)が大きく拡大しています。北米のマリファナ関連企業は、バランスシートに100億ドルののれんを抱えています。

オーロラ・カンナビスは31億7000万カナダドル、キャノピー・グロースは19億1000万ドルカナダドルなどです。

9.マリファナ企業、資金調達のため増資乱発

マリファナ株にとって資金調達は引き続き困難で、特に米国では厳しい規制があります。

銀行の通常融資サービスへのアクセスが限定されているため、マリファナ企業は資金調達のために増資や転換社債をせざるを得ません。

この結果、10番目に挙げる問題が浮上します。

10.株式の希薄化が深刻な問題

マリファナ企業は、資金調達で増資などを頻繁に行っているため、株式の希薄化が加速し、その付けは既存株主に回っています。

オーロラ・カンナビスは、積極的な買収戦略のために増資を繰り返し、過去5年超で株数は10億株以上増えています。

マリファナ株が堅実な長期投資になり得ないとは言えませんが、それでも現在の様々な問題を考慮すると、2020年のマリファナ株投資はリスクが大きいと言えるでしょう。(提供: The Motley Fool Japan


免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。元記事の筆者Sean Williamsおよびモトリーフール米国本社は、記事で言及されている株式を保有していません。