民法改正,相続対策,アドバイス
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相続に関する悩みの相談窓口という役割がFPに求められる中、民法改正に伴う相続実務の変更点や注意点を押さえておかなければ、適切なアドバイスは行えません。この特集では、改正によって新たに発生しそうな相続のトラブルや落とし穴を想定し、それらへの対処法を解説します。


いくつもの制度見直しや新設が行われた相続法改正。しかし、中には新たなトラブルの火種となるものもあるのではないか。『磯野家の相続』などの著書で知られる弁護士・税理士の長谷川裕雅氏と、相続コンサルタントの吉澤諭氏に話し合ってもらった。

「自筆証書遺言より公正証書遺言のほうがきちんとしている、と誤解している人は多そうです」−吉澤

吉澤諭氏
(画像=ファイナンシャル アドバイザー)

──まずは、お2人が民法(相続法)改正全体について感じていることを教えてください。

長谷川 一番評価できると思っているのは、自筆証書遺言を作成するハードルが下がったことですね。逆に言うと、それ以外はあまり実務上の変化を感じないというのが、全体像に対する印象です。

吉澤 私は自筆証書遺言の様式緩和にはちょっと懸念を感じているのですが、全体としては長谷川先生と同じ意見です。すでに判例で認められている方法を条文化したり、事務の取扱いとして一般に行われてきた慣習を明文化したりしただけのものが多いですね。

ただ、制度の変更や新設が行われた部分も、調べていくと「これは実務で使うのかな?」と感じる点が多々あります。相続対策をアドバイスする立場の人は、きちんと改正内容を理解して、トラブルを招きそうな場合は様々な角度から助言することが必要だと思います。

──自筆証書遺言は、ワープロ打ちによる目録の作成が認められ、法務局による保管制度もできました。