民法改正,相続対策,アドバイス
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Q1.現に居住している必要があるということは、夫婦で老人ホームに入所中に夫が亡くなると、妻は配偶者居住権を取得できないのでしょうか?妻が入院中に夫が亡くなった場合はどうなりますか?

A 配偶者居住権は、被相続人の配偶者が被相続人の財産に属した建物に相続開始のときに居住していた場合で、次の①または②のときに成立します(民1028①)。

① 遺産分割により配偶者が配偶者居住権を取得するものとされたとき
② 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき

「被相続人の財産に属した建物」に関して成立するため、建物が賃借物件であるような場合には成立しません。配偶者が相続開始のときに居住建物の一部しか使っていなかったような場合でも、配偶者短期居住権とは異なり、居住建物の全部について配偶者居住権が成立します。

そのため、夫婦で老人ホームに入所中に夫が亡くなったような場合には、前述の「相続開始のときに居住していた」との要件を満たさないため、原則として、妻のために配偶者居住権は成立しません。

ただし、ショートステイなどのように一時的な入所であり、生活の本拠地がいまだ配偶者居住権の対象となる建物所在地にあると評価される場合には、配偶者居住権が成立すると考えられます。

一時的かどうかは状況を考慮して判断