民法改正,相続対策,アドバイス
(画像=Andrii Yalanskyi/Shutterstock.com)

Q3.後妻が夫から贈与された2,000万円の自宅が、20年後、夫の死亡時に6,000万円まで上昇しました。先妻の子から遺留分侵害と請求されたら、後妻は遺留分相当額を支払わないといけませんか?

A 今回の相続法改正がなされる前は、遺留分の基礎財産に含める贈与が過去のいつの時点でなされても、遡る期間に制限なく、すべて遺留分算定の基礎となる財産の価格に含めるとされていました。

したがって、配偶者に対する贈与については、相続開始の20年前になされたものであっても、遺留分算定の基礎となる財産に含められるのです。

また、遺留分の算定にあたっては、過去に贈与された財産であってもその評価について、相続が開始した時点での評価となります。

ですので、不動産が生前贈与された場合に、贈与後の市況によっては大きく値上がりするため、生前贈与の時点では遺留分を侵害しない計算だったのに、いざ相続時点になると遺留分を侵害するという計算になる場合があります。

「そういうときに備えて、『持戻し免除の意思表示』をしておけばよいのか」と思われる方もいるかもしれませんが、実は、持戻し免除の意思表示に関しての条文は次のようになっているのです。

「被相続人が『前二項の規定と異なった意思(持戻し免除の意思)を表示』したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する」(民法903条3項)

つまり、持戻し免除の意思表示も、遺留分に関する規定に違反することはできないのです。

したがって、これまでの相続法(民法)のルールに従えば、遺留分を侵害すると先妻の子から言われてしまっている以上は、その遺留分相当額を支払わなければならなくなりそうです。

相続開始前10年間に限り遺留分の基礎財産に算入