執筆者:株式会社ZUU
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寄付した分だけ所得税・住民税が節税でき、魅力的な特産品が受け取れるふるさと納税。メリットが多いことから、自営業者だけでなくサラリーマンや公務員でふるさと納税をしている人も増えてきました。今回は、2019年6月の制度変更の内容を踏まえふるさと納税を解説します。

今さらだけどふるさと納税の仕組みを簡単におさらい

20代,自己投資
(画像=UpU)

ふるさと納税は、自治体に寄付をすると、2,000円の自己負担を除き寄付をした金額の分だけ所得税・住民税が控除される制度です。

例えば、A自治体に1万円、B自治体に2万円、C自治体に1万円寄付した場合、合計の寄付金額は4万円です。4万円から2,000円を差し引き、3万8,000円分が所得税・住民税から控除されるという仕組みです。

「それって所得税・住民税が寄付に形を変えているだけで、結局のところメリットはないのでは?」と思った人は鋭いです。ふるさと納税は税金の負担そのものが軽くなるわけではありません。所得税・住民税を寄付という形で別の自治体に移転するのが、ふるさと納税の本来の主旨だからです。

ただし、寄付によってさまざまな特産品を受け取ることができます。これが納税者にとってのメリットです。受け取れる特産品には豪華なものも多く、2,000円の自己負担を差し引いても、お得になることが多くあります。

お米やお肉などの特産品を、2,000円の自己負担で手に入れられる。こう考えると、ふるさと納税のメリットを理解しやすいのではないでしょうか。

ふるさと納税の制度変更は自治体の格差と返礼品の内容が問題だった!

2019年6月にふるさと納税の制度が大幅に変更されました。

ふるさと納税は本来、地方活性化を目的として創設された制度です。ふるさと納税を活用すれば、各自治体は地域の魅力的な特産品を全国にPRできます。PRに成功すれば、商品のリピーターや観光客を増やせます。

また、競争原理が働くことによって地方産業を活性化させるという狙いもありました。しかし、実際には過当競争によって自治体ごとの格差が広がり、そのことが問題視されるようになりました。

2018年度の大阪府泉佐野市のふるさと納税による増収額は、約497億円に達すると予想されています。一方、神奈川県川崎市の税収は、約56億円減少する見込みです。このように、自治体間の格差は政府が想定していた以上に大きく広がる結果となりました。

特に問題となったのが、ギフト券や旅行券など、金券としての色合いが強く地域に直接関係のない返礼品が増えたことです。また、自治体だけの問題ではなく、受け取った返礼品を転売して利益をあげる人が出てきたことも、政府にとっては無視できない事態でした。

ふるさと納税の制度変更で何が変わった?

こういった背景を踏まえ、2019年6月以降は、返礼品の還元率が3割超の自治体に寄付しても、所得税・住民税は控除されないという仕組みが導入されました。

具体的には、東京都、静岡県小山町、大阪府泉佐野市、和歌山県高野町、佐賀県みやき町への2019年6月以降の寄付は、税額控除の対象外となるので注意が必要です。

2019年6月の制度変更によって、還元率の高いギフト券や旅行券などは対象外となりました。しかし、本来の主旨である地域の特産品を受け取れるという、ふるさと納税の仕組み自体は変わっていません。「お得感」が薄れたのは否めませんが、ふるさと納税にはまだまだメリットがあるといえます。

寄付金の上限額って?

2,000円の自己負担を除き、寄付した金額が全額所得税・住民税から控除されるふるさと納税ですが、総所得金額の40%までしか控除できません。当然といえば当然ですが、全額寄付をして所得税・住民税をまったく納めないということはできません。

寄付金額の上限は、所得が高いほど高くなります。そのため、ふるさと納税は自営業者や高所得な会社員に特に人気なのです。個人事業主であれば、事業の利益がそのまま個人の所得となるため、寄付金の上限額が数百万円におよぶこともあります。「お米やお肉などの買い物は、ふるさと納税ですませるようになった」という個人事業主もいます。

だからといって、ふるさと納税は高所得者だけにメリットのある制度ではありません。寄付金の上限額こそ所得によって変わりますが、所得税・住民税を支払っているのなら、誰もが等しくふるさと納税のメリットを享受できます。

情報感度の高い人のなかには、新入社員の頃からコツコツふるさと納税を続けているという人も多くいます。最近では年末に「もうふるさと納税した?」「まだやってない、年内に寄付しないと」といった会話が、親子や友人同士の間で日常会話として聞こえてくるようになりました。

今年の所得税に適用したいなら年内の早めに寄付を

個人の所得税は、1月1日から12月31日の1年間の所得をもとに計算されます。

つまり、年内に寄付をすれば今年分の所得に対して税額控除を適用できますが、年明けになると来年の税額控除となってしまいます。住民税はふるさと納税をした翌年から控除されます。ふるさと納税を検討している人は年内に寄付を完了しましょう。

自治体によっては早めに締め切るところもあるため、早めに確認して寄付をすませておくと安心です。

ふるさと納税を始めるのなら早めに!

2019年6月の制度変更によって、還元率の高い返礼品を提供する自治体への寄付では税額控除が受けられなくなりました。しかし、所得税・住民税を負担している人には、ふるさと納税は等しくメリットがあります。

ふるさと納税はインターネットから簡単に手続きできるため、今年に適用したい人は早めに手続きをしましょう。(提供:UpU