「フリーランスは、流動性を武器に案件やコミュニティをアップデートし続けることが収入につながる」と語る山田竜也さんは、年収1000万円を維持するポートフォリオ・ワーカーであり、18年以上株式投資を続ける投資家でもある。

収入をアップするための処世術を伺った前編に続き、後編はより長期的な富につながる「資本」の築き方に切り込んだ。人生を長い目で見て豊かにしていくために重要なのは一時的な収入、つまり「キャッシュフロー」ではなく、時間をかけて積み重ねていく「資本」である。フリーランスが意識すべき資本家思考とは。(取材・宿木雪樹 / 写真・関口佳代 / 特集協力・一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会

▼前回のインタビューはこちら
年収1000万円以上稼ぎ続けるための処世術とは?【山田竜也さんに聞く・前編】

フリーランスの資本家思考#2
(写真=関口佳代撮影,ZUU online編集部)
山田竜也さん
同志社大学哲学科卒業後、3年半の会社員生活を経て、2007年にフリーランスとして独立。独立当初は自己破産寸前になった経験もあるが、稼ぐための仕組みを身につけてからは1000万円を超える年収を維持。専門分野はWebマーケティング。コンサルティング、広告運用、Web管理の他、自分の所用するメディアからの広告収入、セミナー講師、著者印税、イベント売上など複数軸の収入を持つポートフォリオワーカーでもある。著書に『フリーランスがずっと安定して稼ぎ続ける47の方法』(日本実業出版社)、『すぐに使えてガンガン集客! WEBマーケティング123の技』(技術評論社)。

フリーランスにとっては案件そのものが“投資”である

フリーランスの資本家思考#2
(写真=関口佳代撮影)

――フリーランスが持つべき資本家思考とは何だと山田さんは考えていますか?

まず“案件そのものが投資である”という考え方を持ちましょう。フリーランスにとって案件は収入を得るための手段であると同時に、次の案件を獲得するためのポートフォリオの一部でもあります。

目先の収入ばかりを気にして先行投資となる案件をおろそかにすると、高収入を得ることはできません。

――先行投資になる案件はどのように判別すれば良いのでしょうか?

既存の案件のスコアリングは、客観的な案件比較に役立ちます。たとえば、「価格、将来性、楽しさ(やりがい)」という3つの判断基準を設け、自分が今取り組んでいる案件にそれぞれ「◎、○、△」のスコアを割り振ってみてください。

Aの案件は報酬が高いけれど、将来性もやりがいも少ない。一方で、Bの案件は請求額こそ低いものの将来性が感じられ、自分もそれに取り組んでいることが楽しい。こうしたスコアリングは、投資価値のある案件を再確認するのに効果的です。

フリーランスはクライアントとの関係性を過度に意識し、主観的な判断で案件を選びがちです。「長いあいだお世話になっているから、安くてやりがいがなくても継続する」という言い分も、その一例です。こうした案件はスコアを可視化すれば、続けるべきかどうか一目瞭然でしょう。

フリーランスの資本家思考#2
(写真=関口佳代撮影)

――しかし、先行投資になる案件を選びすぎると収入が低くなるのではないでしょうか?

もちろん収入を得る目的の案件も必要です。よくそういった案件を「ライスワーク」、先行投資としての案件を「ライフワーク」と区別する言い方を耳にしますが、その2つの割合を意識しながら案件を精査しましょう。私の場合は、ライフワークが常に全体の2割以上を占めるよう意識しながら、プランを立てています。

――フリーランスが収入目的以外の案件に2割以上を費やすには、相当の覚悟が必要では?

収入が最終的な資産だと思ってしまうから、その発想に結びつくのかもしれません。たとえ単価が低くとも、その案件から技術的資産や人的資産が生み出されるのであれば、それは極めて価値の高い案件です。

収入以外で何が自分の資本なのかを改めて整理すれば、それを得るためにどのような案件を残すべきなのか見えてくるでしょう。

資本家思考がフリーランスに安定をもたらす

――フリーランスは会社員と比べて安定しないものと捉えられがちですが、山田さんはどう考えますか?