2019年11月19日、森記念財団の都市戦略研究所が最新の世界都市ランキングを発表しました。

東京は前年に引き続き、ロンドン、ニューヨークに次いで、世界3位でした。

圧倒的に強い分野はない一方、逆に極端に弱い分野もないことから、総合力の高いバランス型の都市であると評されています。

日本はすでに人口減少が始まっており、全国規模では急激な経済成長は見込めません。

中国、インドをはじめとする成長著しいアジアの国々との相対的な地位は縮まりつつあるのが実状でしょう。

そんな中、世界と戦える競争力を維持し続けている都市が『東京』です。

今回は、世界と日本、それぞれにおける東京の現在地と将来性、そして強さの秘密をひも解いていきます。

まずは、世界における東京の立ち位置を確認していきましょう。

森記念財団のランキングだけでなく、東京の実力は様々な調査やデータでも示されています。

アメリカの大手旅行雑誌「コンデ・ナスト・トラベラー」のランキングでは、4年連続の「世界で最も魅力的な大都市」に選出。

イギリスの経済紙「エコノミスト」による世界主要都市の安全性ランキングでも、3回連続の1位を獲得しています。

「ミシュランガイド」の星付き飲食店掲載数も、実は東京が世界で一番多い都市です。

様々な面で世界トップクラスの都市競争力を有する東京。

その強さの秘密は、世界でも稀に見る人口集中にあります。

都市圏の人口では3,800万人で世界トップ。 ヒト・モノ・カネ・情報が集まり、都市として世界一のGDP規模を持ちます。

産業構造の変化も、人口集中による経済発展を後押ししている側面があります。

かつては第二次産業、つまり製造業の国といわれた日本ですが、現在は第三次産業が経済の中心です。

通信、小売、飲食、金融、不動産、医療、その他サービス業など幅広い業種が該当し、日本で働く人の実に75%が第三次産業に従事しているのです。

衣食住など生活全般に関わる第三次産業は、一定数以上の人がいなければ成立しないビジネスがほとんどです。

しかも、第三次産業の発展はスケールメリットが働きます。

100万人の都市が10都市集まったとしても、1000万人の都市のGDPには及びません。

人が集まれば集まるほど、産業が栄えて雇用が増え、雇用を求めてさらに人が集まる循環が加速する。

この規模が圧倒的に世界一である都市こそが、東京です。

では日本における東京の立ち位置はどうでしょうか。

政府は長年「国土の均衡な発展」を掲げて、東京への一極集中を是正しようと動いてきた歴史があります。

ただ、思惑に反して東京への人口流入は加速し、今年の6月には、地方への移住促進から交流へと基本方針を事実上、転換するに至っています。

これは、経済原則に逆らって地方へ人を移住させることの難しさを物語っています。

東京に人口と経済を集中する分、地方法人特別税の分配という形で、東京は地方を支え続けています。 2018年には、東京の税収のうち9000億円ものお金が地方に分配されました。

東京の代わりを担える地域は、日本のどこにも無いのです。

では、東京の将来、特にオリンピック後はどのように発展していくでしょうか。

世界でみても、2030年時点の都市圏人口でまだ1位をキープすると予測されています。

さらに、日本をけん引する東京の役割は今後ますます重要になると見込まれます。

書籍『新・東京進化論』のなかで、著者の明治大学名誉教授の市川宏雄氏は次のように語っています。

「東京が日本国の"稼ぎ頭"として、  世界のヒト・モノ・カネ・情報を集めてこれなければ、  日本という国そのものが衰退していくおそれがある」

さらに、市川名誉教授は、都心の再開発や職住近接のトレンドを踏まえ、都心の人口は今後10~20年で100万人~200万人増えてもおかしくないと予測しています。

もちろん、未来はどうなるか分かりませんし、仮にそうなったとしても、その全てが賃貸物件に住むわけではないでしょう。

しかし、現在地点から見通せる範囲だけで考えても、東京の人口規模に裏付けられた競争力は、世界でも際立っています。

個人投資家の立場では、都市の発展はコントロールできませんが、どのエリアに投資するかは選択することが可能です。

世界に誇る東京を買うことが、安定した家賃収入を得るために最良の選択ではないでしょうか。