ライフプランを考えていく過程で、「いつまで自分は働くのか」ということを考えるのはとても重要です。それによって「どの程度資産を形成しなければならないか」「どのように資産を運用すべきか」が決まるからです。特に早期退職した場合はその分老後の期間が長くなるため、お金のことについて考えておく必要があるでしょう。

早期退職制度とは?

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(画像=PIXTA)

早期退職制度とは、会社が退職者を募って、自主的に退職する社員に対しては退職金を割り増しして支払ったり、転職先をあっせんしたりする制度のことです。

早期退職制度を実施する企業の主な目的は、人件費の削減です。また、会社内の高齢化を防ぎ、組織の新陳代謝を促す側面もあります。

日本の企業では、年次が高い社員ほど給料の金額は高くなる傾向があり、また年功序列が根強い企業では中高年の社員に対して役職も用意しなければなりません。その分人件費も増すことから、他の役職を減らす必要性が出てくるなど、いびつな組織が形成される懸念もあります。早期退職制度は、そういった弊害を防ぐための一助となる側面も持ち合わせているのです。

2つの早期退職制度

早期退職制度には「早期希望退職制度」と「選択定年制度」の2つがあります。

「早期希望退職制度」は、社員の主体的な退職を募ることをいいます。人員整理を目的とした制度で、リストラの前の段階というと分かりやすいでしょう。もちろん、社員の意思が最優先なので、会社側から強制されることはありません。この場合は自己都合ではなく、会社都合での退職となります。

「選択定年制度」は組織の若返りや自由な生き方を支援するものです。早期希望退職制度よりも、前向きと言えるかもしれません。多くの場合は、勤続年数や適用開始年齢が定められていて、一定の条件を満たすと早期に退職ができるようになります。この場合、退職金や退職年金が優遇されます。

早期退職で注意しなければならないこととは?

早期退職をすると、退職金が増加するので、定年を迎えてから退職するよりはメリットと言えるでしょう。

失業給付金をすぐに受け取ることもできます。「会社都合」の退職となるため、「自己都合」での退職よりも2ヵ月以上早く給付金が支給されるようになるのです。給付期間も長く、最長で「自己都合」のときの2倍以上の期間、給付金を受け取ることができます。

早期退職後に転職する場合もメリットがあると言われています。業績悪化で希望退職する場合はもちろんリストラではありませんし、自分の意思で退職したことになるので離職の理由も説明しやすくなるからです。

一方で、当然のことながら安定した収入がなくなってしまいます。退職金や失業給付金だけに頼ると、日々の生活費や保険料が次第に負担になってくるでしょう。転職する場合も良い再就職先が見つけられないと、その先の生活に大きな影響を及ぼすことになります。

早期希望退職者の対象となりやすい50代は転職しても年収が下がることが多い一方で、住宅ローンや子どもの学費など、出費がかさむ年代でもあります。早期希望退職をすることで、これまでの人生が想像以上に大きく変わってしまう可能性があることも認識しておくとよいでしょう。

また、年金の支給額も変わってきます。年金は「年金をもらい始めるまでの平均給料」と「加入月数」によって決まります。離職する期間ができることで、年金の総支給額も減ります。社宅に住んでいる場合は引っ越しも必要になるため、別に引っ越し資金の準備も必要になるでしょう。

退職後のお金のことを考えて決断を

早期退職制度を利用する場合は、今回ご紹介した通り、大きなメリットもある一方でデメリットもあります。そして、先々お金の面で負担がかかる可能性も考えられます。

早期退職をするかどうかは、退職後の生活費や老後資金などの金銭面を十分に検討したあとで考えることが大切です。どちらを選ぶにしても、後悔のない選択ができるよう事前の情報収集をしっかりしておくとよいでしょう。(提供:ANA Financial Journal

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